中畑清 × 里崎智也氏のスペシャル対談が実現!
キャンプも終盤に入り、紅白戦や練習試合など実戦練習が増えてきた。今年から監督に就任した阪神の金本知憲監督や、DeNAのアレックス・ラミレス監督は早くも対外試合で指揮を執っている。
セ・リーグを見てみると、金本監督、ラミレス監督以外にも、巨人で高橋由伸新監督が誕生。これにより、今年のセ・リーグの監督は全員が40代と一気に若返った。
今年のセ・リーグはどうなるのか…。野球キュレーションアプリ『Baseball Crix』でコメンタリーに就任した前DeNA監督の中畑清氏と野球解説者・里崎智也氏が、新監督たちの印象や、今シーズンの戦いについて熱く語っている。
若返ったセ・リーグの監督陣
―― セ・リーグの監督は今季、大きく若返りました。
<中畑>
素直にどういった監督像というものが見られるのか、選手によって変わってくる。こういう野球やりたい、とかあると思うんだよね。チームを把握しているという点では由伸(高橋)は、コーチ兼任の形で、チーム全体を見ていた。だから結構スムーズに入れるところがあると思うね。
<里崎>
全員40代で、現役時代もバチバチだったじゃないですか。谷繁さん以外が外野手。ベストナインとかタイトルを争っていた選手たちだから、監督になっても(ライバル意識が)あると思うんですよね。あいつにだけは負けたくないとかっていうところをどういう風に見せてくれるかが楽しみです。
―― 巨人・高橋監督は中畑さんが現役時代の背番号を付けており、思い入れがあるのではないでしょうか?
<中畑>
由伸は、「24」番つながりで舎弟という気持ちもある。そういう繋がりがあって、成功して欲しいなっていう思いはある。厳しいときにバトンを渡されているじゃん。原(辰徳)ジャイアンツという長い期間があった。それを払拭して由伸のカラーに変えていく。結構大変だと思うよ。あいつの誠実さがいいんじゃない。俺みたいなのは合わない。そういう意味では由伸がこういうものだというのを見せてくれたらいいかな。逆も見たいな。バカ騒ぎする姿も見たい。
―― 阪神・金本知憲新監督はどうでしょうか。
<中畑>
金本(知憲)はキツイ(厳しい)かなって感じがあるよね。もともとキツイじゃん。あれを出し切って、やり切ったら面白い。それに選手が上手くのかってくれればいいけど、ちょっとでも、俺が俺がと出過ぎちゃうと、今の選手たちにはどうかな。あまりにも、あいつが偉大すぎるというところがあるけど、そこの距離感は難しいかなと思う。
<里崎>
金本監督だけではないんですけど、監督の一番の仕事というのは、オーダーを決めることと、ピッチャーのローテーションの配置。後は選手起用の交代になってくる。監督が変われば考え方、自分のやりたい野球観などがそういう部分に出てくる。チームがどういう風に変わっていくのか。どういう野球がしたいのかっていうところが楽しみですね。
―― DeNAのラミレス監督に期待したいことは?
<中畑>
すごい評判がいいよ。元々監督をやりたいという願望が強かった男だから、チャンスをもらえたタイミングというのも良いところ。日本人よりも日本人らしいと思われたい男だから日本の野球を知り尽くしているし、細かい作業とかもミーティングとかでも出ていたらしいね。目配り、気配りができてきている話は聞く。評判が凄くいいので上手くハマってくるといいね。
―― 同じ外国人でもバレンタイン監督とはタイプが違いますね。
<里崎>
そうですね、はい。
<中畑>
日本語が喋れるからな。期待している。そういう弊害を心配しなくてもいいのも、彼の長所。外国人監督というよりは、日本人監督の扱いの中で采配を執れる。そんなに俺は心配していない。
ただ、ラミちゃんはパフォーマンスを封印してるじゃない。やれば、いいのに。俺は絶好調を封印したんだけど、『カトちゃんぺ』はやっていいんじゃない。それの方がファンは喜ぶよ。明るいチームでいて欲しい。
―― 中日の谷繁元信監督は選手兼任監督から監督専任になります。
<中畑>
彼は変わらないんじゃない?変える必要がない。ただ、選手兼任じゃなくなったから、責任転嫁ができなくなる。しっかりと切り替えができるポジションになったという風に見てあげればいいと思う。プレイングマネージャーは、難しそうだった。去年までは実質、森(繁和)監督ですよ。
【プロフィール】
中畑清
生年月日:1954年1月6日生
経歴:安積商高-駒沢大-巨人(76~89引)-巨人(93~94)-DeNA(12~15)
現役時代“絶好調男”とファンから愛された男は、12年からDeNAで4年間指揮を執った。在任期間中にチームをリーグ優勝に導くことはできなかったが、筒香嘉智、山崎康晃など球界を代表する選手へと成長させた。
里崎智也
生年月日:1976年5月20日生
経歴:鳴門工高-帝京大-ロッテ(99~14)
→強打の捕手として現役時代、ロッテで2度日本一、WBCで世界一を経験。プレーだけでなく、10年日本一になった際に“下剋上”という言葉を広めるなど、言葉でも影響を与えた。現役引退後はプロ野球解説だけでなく、バラエティ番組などにも出演し、活躍の幅を広げている。