明るく、たのしく...それが“ラミちゃんスタイル”
明るく・楽しく・そして激しい野球…。前任の中畑清氏から受け継いだチームカラーは変わらない。
DeNAの新監督に就任したアレックス・ラミレス。「ラミちゃん」の愛称で、日本でも絶大な人気を誇る。現役時にはヤクルト・巨人・DeNAと渡り歩き、2013年シーズンには史上42人目となる通算2000本安打を達成。外国人枠適用経験選手では初となる名球会入りを果たした。
ラミちゃんといえば、ホームラン後に行うパフォーマンスが有名。志村けんの「アイーン」を皮切りに「ゲッツ」、「ラミちゃん、ペッ」、「オッパッピー」と、日本の芸人のギャグを真似し、一躍全国区となった。
子供たちが、このパフォーマンスを見て自分の事を覚えてくれればうれしい…と始めたお笑いパフォーマンスは、監督になった今、果たして継続するのだろうか。
答えはYESだろう。誰よりもファンを大事にするラミレスのことだ。もう監督バージョンのパフォーマンスは考えているであろう。今までの流れならば、芸人とにかく明るい安村の「履いてますよ」を取り入れる可能性が高いという噂もある。
また、ファンの間では、活躍した選手とお立ち台でダチョウ倶楽部の「キスギャグ」のやり取りをしてほしいとの声もある。活躍した選手に、ラミちゃんがキスをするという設定だが、こんなやり取りが新たな横浜名物になれば、さらなるファン発掘につながること請け合いだ。
実は“研究家”な一面も
もちろん、本業の野球でも魅せる。
打撃に関しては、貧打に苦しむチームを一変させるだろう。特に自身が初球から積極的に打っていくのが得意だったこともあり、今年の横浜打線は初球からブンブンと振ってくるような怖い打線をつくっていくとみられる。
また、13年間に渡るプロ野球での現役生活の経験も存分に生かさせることだろう。特に、現役時代は対戦相手の映像や、自らの打席の映像をくまなく見ることによって、投手の研究さらには捕手の配球の研究に多くの時間を費やした。
対戦したことのある投手はもちろん、未対戦の相手に関しても、シーズン前までに多くの情報を手にし、研究するはず。マシンガン打線と呼ばれた1999年(当時の日本記録となるチーム打率.294)の再現も不可能ではない。
一方で、そんな新チームの課題といえば、守備だろう。
前任の中畑氏は「守備」に重きを置き、チーム編成を行った。しかし、ラミレス監督の「弱点」は守備。現役時代は守備範囲が狭く、2008年からは3年連続で守備率ワーストという不名誉な記録も残している。
自らが苦手だった守備を、どうコーチングするのかは、ラミレス監督の注目される大きなポイントである。
快進撃をもう一度...
2015年シーズンは、史上初となる首位ターンからの最下位に終わった。
横浜ファンは悪夢でも見ているようなシーズンだったに違いない。まさに球史に残る大失態だった。
前半戦は本拠地11連勝、12球団最速で30勝到達。その勢いからは最低でもAクラス生き残りは確実視されていたが、終わってみれば14.5ゲーム差の最下位。チームの流れは最悪だった。
あの元気いっぱいな中畑氏でさえ、シーズン終盤は覇気を失った。このチームの再建を任されたラミレス監督。その手腕が問われるとともに、やはり弱い横浜…なのか、昨年の前半戦のような輝きを取り戻すのか…。すべてはラミレス新監督にかかっている。