例年以上の盛り上がりを見せたキャンプも...
高卒ルーキー・平沢大河のフィーバーに始まり、エース・涌井秀章の“熱愛発覚”、さらには新助っ人・ナバーロの電撃逮捕など...。ロッテのキャンプは例年にも増して話題が多かった。
特に新助っ人の逮捕は、オープン戦が始まって間もないころの出来事だったこともあり、記憶に新しい。
オフに内野の要であるルイス・クルーズと、チームの象徴的な存在だった今江敏晃を流出。その2人の穴を埋めるべく獲得したのが、韓国リーグでシーズン48本塁打を放ち、助っ人新記録を樹立した大砲ヤマイコ・ナバーロだった。
オープン戦でも2試合連続で特大弾を放つなど、その片鱗を見せつけていただけに、まさかの逮捕から開幕後4週間の出場停止を言い渡されるという展開はファンに多大なる衝撃を与えた。
マリーンズ誕生、そして球団の千葉移転25周年というダブルのメモリアルイヤーに立ち込めた暗雲……。それでも、薄暗い雲を吹き飛ばす可能性を秘めた“あの男”が帰ってきた。
「ただいま」代わりの一発&二塁打
窮地のチームに戻ってきた背番号「54」、アルフレド・デスパイネ。
今年もキューバ国内リーグに参加していた都合でキャンプには不参加だったが、2月27日に無事来日。8日から一軍に合流し、QVCマリンで行われた日本ハム戦に「4番・指名打者」で出場した。
すると1-1の同点で迎えた第2打席に右中間を破る二塁打を放ち、チャンスメイク。つづく角中の三塁打の間に勝ち越しのホームを踏む。
さらに6回一死走者なしで迎えた第3打席では、鍵谷陽平からライトフェンスを越えてスタンドに突き刺さるソロ。初戦で3打数2安打、1本塁打で打点1と結果を出した。
初めての“開幕一軍”へ...
デスパイネは2013年シーズンの途中でロッテに加入。“キューバの至宝”と称されるスラッガーは、45試合の出場ながら打率.311、12本塁打、33打点と活躍。日本球界に鮮烈な印象を残した。
ところが、日本のオフにあたる時期に帰国し、キューバの母国リーグに参戦。所属チームがプレーオフへと進出したことも相まって来日が遅れ、2年目のシーズンは4月上旬からのスタートになる。
さらに、7月の頭にはパン・アメリカ大会にキューバ代表として参戦するため、再びチームを離脱。月内に復帰するも、休みなく働いてきたことによる疲労もあって後半戦は調子を落とした。
それでも、103試合の出場で打率.258、18本塁打、62打点という成績。本塁打はチームトップで、打点も3位と、苦しんだ中でも存在感を発揮したのは流石だった。
このオフも、昨年11月の「プレミア12」、今年に入って2月は「カリビアンシリーズ」と2つの国際大会にキューバ代表として参戦。相変わらずのハードスケジュールではあるが、今年は国内リーグの参加が免除されたことが幸いし、日本の開幕に間に合った。
「フルシーズンできたらどんな成績を残すだろう...」。1年目のデスパイネを見て、夢を膨らませたファンも多いはず。
3年目にしてようやく巡ってきた“開幕一軍”のチャンス。新助っ人の留守は、“キューバの至宝”が埋める。
▼ アルフレド・デスパイネ
生年月日:1986年6月17日(29歳)
出身:キューバ
ポジション:外野手
身長/体重:175センチ/95キロ
投打:右投右打
[NPB通算] 148試 率.274 本30 点95