守備側の対策が急務?カギ握る「重盗」への対応
6日に行われたオリックス-ロッテのオープン戦で、ロッテの伊志嶺翔大が「コリジョン(衝突)ルール」を生かした好走塁で先制のホームを踏んだ。
「コリジョンルール」とは、本塁クロスプレー時の危険な事故を防ぐために今シーズンから適用される新ルールで、走者による捕手へのタックルを禁止するほか、捕手は走者の走路をブロックすることを禁じるもの。また、審判が必要だと認めれば、ビデオ判定が行われることも決定している。
このコリジョンルール適用により、今シーズンは多少の無理をしてでも二塁からワンヒットでホームに突入していくプレーや、際どい内野ゴロでも本塁に突入していく場面が増加すると見られている。
そんな中、ここまでの紅白戦や対外試合、オープン戦などを見ていると、増えそうなプレーがある。それが“ダブルスチール(=重盗)”だ。
6日のオリックス-ロッテ戦では、0-0で迎えた3回表に「重盗」が試みられ、そのプレーからロッテの先制点が生まれた。
二死一、三塁の場面で、打者はロッテの井上晴哉。すると2-2からの5球目、一塁走者の角中勝也がスタートをきる。オリックスの投手・近藤大亮が投じた高めの直球を捕手・伊藤光がキャッチし、すかさず二塁へ送球。伊藤の送球が高めにそれると、この瞬間に伊志嶺が三塁から本塁に突入。二塁のカバーに入った西野真弘の返球は間に合わず、ロッテが得点を奪った。
今回のケースは伊志嶺の判断による好走塁であり、監督から重盗のサインが出ていたわけではなかったが、今後は一、三塁という状況で積極的に一塁走者を走らせる形も増えていくだろう。
本塁への突入を警戒すれば二、三塁と“一打2点”にチャンスは拡大し、それを警戒すれば今度は本塁を陥れられる可能性が出てくる。
やはり、各球団の選手たちが語るように、新ルール導入によって「得点は増える」とみて間違いなさそう。各球団がキャンプ中から様々な施策を講じてきているだけに、今後は攻撃側の采配と共に、守備側の対応にも注目していきたい。