エースが苦しんだ2015年
プロ野球2016年シーズンの開幕まで、いよいよ10日を切った。
今年のパ・リーグは、開幕投手に指名された各チームのエースたちがオープン戦から好投を続けており、大谷と涌井以外は思うような結果を残せなかった昨年と比べると明るい話題が多い。
昨年、パ・リーグで開幕投手を務めたのは摂津正(ソフトバンク)、大谷翔平(日本ハム)、涌井秀章(ロッテ)、牧田和久(西武)、ディクソン(オリックス)、則本昂大(楽天)という6人。
西武は、開幕投手に指名していた岸孝之が左脇腹の炎症で出遅れ、オリックスも大黒柱・金子千尋が右肘手術の影響で開幕には間に合わず。それぞれ牧田和久とディクソンが代役を務めている。
また、健康な状態で開幕を迎えながらも、苦しい戦いを強いられた投手もいた。
4年連続で開幕投手を務めたソフトバンクの摂津は、4年目にして初となる開幕戦での黒星を喫すると、そこからの12試合で4勝5敗、防御率4.10とらしくない成績。6月には自身初となる「不振による二軍落ち」も経験した。
楽天の則本も、打線の援護に恵まれなかった部分もあるとはいえ、開幕からの1カ月で1勝3敗と黒星が先行。エースたちの苦闘というのが目立ったシーズンであった。ちなみに、各球団のエースたちの最終成績は以下の通り。
【2015年・パのエースたちの最終成績】
(ソ)摂津 正:10勝7敗、防御率3.22
(日)大谷翔平:15勝5敗、防御率2.24
(ロ)涌井秀章:15勝9敗、防御率3.39
(西)岸 孝之: 5勝6敗、防御率3.02
(オ)金子千尋: 7勝6敗、防御率3.19
(楽)則本昂大:10勝11敗、防御率2.91
激戦必至のエース対決
しかし、今年は各球団のエースたちが上々の仕上がりを見せている。
昨シーズンは序盤戦で黒星が先行した摂津と則本だが、今年はともに15日の時点で2試合・9イニングを投げて防御率が0.00。安定した投球を披露している。
また、昨年は故障により開幕投手を務められなかった岸と金子も、今年はここまで順調な調整を見せている。
岸は2カード目のソフトバンク戦での登板が見込まれており、開幕投手は菊池雄星に譲った格好となっているが、左右の両輪がキャンプから良い状態なのは喜ばしいこと。オリックスも、貯金を計算できるエースが開幕からいてくれるのは心強いことこの上ない。
さらに、昨シーズンの最多勝投手でもある大谷と涌井は、大谷が1試合(5回)、涌井は2試合(6回)に登板している。
大谷は9日のDeNA戦が3回途中で降雨ノーゲームとなったこともあり、思うような登板機会を得られていないが、2日の巨人戦では早くも162キロをマークするなど、怪物ぶりを発揮している。
一方の涌井は、オープン戦最初の登板となったオリックス戦で3回7安打4失点と課題を露呈するも、「これから調整していけばいい」と冷静なコメント。2度目の登板となった11日の西武戦では3回を2安打無失点にまとめ、「すべての球種を試して打ち取るイメージだった」と、開幕を見据えながら調整を進めていることを強調した。
このように今年は各球団ともエースが好調なだけに、開幕戦から熱い投手戦に期待が高まる。
“絶対に負けられない”エースたちによる意地と意地のぶつかり合い。チームを勢いづかせる勝利を挙げるのは一体誰か……。いよいよペナントレースの火ぶたが切って落とされる。
【2016年・開幕戦と予想される開幕投手】
楽天(則本昂大) - ソフトバンク(摂津正)
<Koboスタ宮城 16時00分>
西武(菊池雄星) - オリックス(金子千尋)
<西武プリンス 18時00分>
ロッテ(涌井秀章) - 日本ハム(大谷翔平)
<QVCマリン 18時30分>