大混戦のオープン戦は阪神が優勝
2月20日(土)に開幕したオープン戦も、3月21日(月)をもって全日程を終了。1カ月に渡る準備期間を終え、いよいよプロ野球2016年シーズンがはじまる。
「オープン戦の結果はアテにならない」とはよく言ったものであるが、近年は13年の巨人以降、14年・15年のソフトバンクと、3年続けてオープン戦を制したチームがペナントも制している。シーズンに良い勢いを持って臨むためにも重要なオープン戦の最終成績は以下の通り。
1位 .700 阪神(7勝3敗5分)
3位 .667 ソフトバンク(8勝4敗3分)
4位 .643 楽天(9勝5敗1分)
5位 .615 西武(8勝5敗2分)
6位 .571 広島(8勝6敗2分)
7位 .500 巨人(9勝9敗1分)
8位 .467 日本ハム(7勝8敗)
9位 .333 ヤクルト(6勝12敗1分)
10位 .308 DeNA(4勝9敗2分)
10位 .308 オリックス(4勝9敗3分)
10位 .308 中日(4勝9敗3分)
最終戦までもつれた首位争いは阪神に軍配。ドラフト1位ルーキーの高山俊や、4割近いアベレージを残した期待の有望株・横田慎太郎の活躍が光った。
また、「オープン戦の結果はアテにならない」を覆すもうひとつのデータが、オープン戦最下位チームの苦戦だ。ここ10年間、オープン戦で最下位になったチームがレギュラーシーズンでAクラス入りを果たしたのは、2008年の巨人だけ。阪神と最大13ゲームあった差をひっくり返して優勝した、あの“メークレジェンド”の時の巨人である。
昨年も、シーズン前には優勝候補にまで挙げられていた広島がオープン戦で最下位に沈むと、シーズンでもまさかの4位。クライマックス・シリーズ進出を逃した。
今年は3チームが最下位で並ぶ結果となったが、この3チームは嫌なジンクスを打ち破る逆襲を見せることができるだろうか。
調整不安を一蹴!昨年のリーグMVPが二冠
続いて個人成績。まずは野手部門の成績上位者を振り返る。
【野手】
▼ 打率(※規定打席=試合数×3.1)
1位 .400 鈴木大地(ロッテ)
1位 .400 坂田 遼(西武)
3位 .393 横田慎太郎(阪神)
▼ 本塁打
1位 5本 柳田悠岐(ソフトバンク)
2位 4本 エルドレッド(広島)
2位 4本 山川穂高(西武)
2位 4本 ゴームズ(楽天)
▼ 打点
1位 14点 柳田悠岐(ソフトバンク)
2位 13点 井上晴哉(ロッテ)
3位 11点 雄平(ヤクルト)
首位打者は同率で2人。これまで何度となくブレイクのチャンスがありながら、ケガに泣かされてきた西武の坂田遼に開花の兆し。8年目、今年で30歳を迎える“左のおかわり”は、今年こそチャンスを掴めるか。
また、本塁打と打点はソフトバンクの柳田がトップ。右肘の手術明けとなる今年はキャンプも二軍スタートで、オープン戦に入っても指名打者としての出場が続き、思うような調整ができていないように見えた昨年のリーグMVP男だったが、20日の広島戦で3打数3安打、2本塁打で6打点と大暴れ。終盤はセンターの守備にも就き、開幕に向けて万全ぶりをアピールしている。
帰ってきた鷹の左腕エースが抜群の安定感を披露
最後に投手部門。各投手イニング数も少なく、シーズンに向けた“お試し”の部分も多いために参考程度でしかないが、その中でも好成績を残した投手を紹介する。
【投手】
▼ 勝利数
1位 3勝 メンドーサ(日本ハム)
2位 2勝 <11名>
▼ 防御率(規定=試合数×1.0)
1位 0.00 和田 毅(ソフトバンク)
2位 0.45 福井優也(広島)
3位 0.56 菊池雄星(西武)
▼ セーブ数
1位 3セーブ 松井裕樹(楽天)
2位 2セーブ <6名>
例年2勝の投手が10名ほど並ぶ勝利数ランキングでは、日本ハムのメンドーサが3勝を挙げて単独トップに立った。来日2年目で初めて2ケタ勝利をクリアした助っ人右腕は、今年も頼りになりそうだ。
防御率では、今年からソフトバンクに復帰した和田毅が3試合・15イニングの登板で0.00を記録。被安打9、無四球で14奪三振と素晴らしい内容を披露しており、シーズンに向けて期待が高まっている。
セーブ数では、楽天の松井裕樹が単独トップに立った。ストッパー転向元年の昨年は、高卒2年目にしてその大役を全う。球団最多記録となる33セーブをマークした。日本を代表する守護神となるべく、今年の活躍にも大いに期待がかかる。
この中から今年のプロ野球界の主役となる選手は現れるのか。25日の金曜日に迫った開幕が今から待ちきれない。