DeNAの開幕投手は井納
2016年、横浜の開幕投手(25日広島戦)は井納翔一が務めることになった。12日のロッテとの二軍戦で、開幕投手に内定していた山口俊がベースカバーに入った際に右足首を負傷。開幕戦の先発が絶望的となり、ラミレス監督は井納に大舞台を任すことを伝えた。
自身初となる開幕投手という大役が回ってきた。20日の西武とのオープン戦から中5日で開幕戦を迎える井納。横浜にとってはラミレス新監督の初勝利、そして開幕投手では2003年の吉見以来となる開幕投手の勝利がかかる大一番。「監督の初勝利がかかっているので」と、普段クールな表情の井納は、闘志をむき出しにしている。
宜野湾キャンプでは、とにかく投げ込んだ。投げ込み日を設定し、1日に350球を投じた日もあったほど。また、ブルペンでは広島の打者の名前を挙げて、投球をしていたこともある。広島打線をイメージしながらの投球練習が、いきなり思わぬ形で生かせる格好となった。
この猛練習には理由がある。昨季はエース級の活躍を期待されながら21試合に登板し、5勝8敗。防御率は3.27と奮わなかった。
「今までシーズン通してローテーションを守ったことがない。不振にしろ、ケガにしろ、途中で外れてしまっていたのは、自分に足りない部分があるからだと思う」と振り返る。
今オフには、自らの課題である「シーズンを投げ抜く」ことをテーマに、いっそうハードなトレーニングを敢行してきた。
井納が開幕投手になったことで、当面は井納、久保康友、モスコーソ、今永昇太、石田健大の先発ローテが濃厚。山口が抜けた穴には三浦大輔、砂田毅樹が入るかもしれない。いずれにしろ、山口が戻るまでは井納が横浜投手陣を引っ張ることになる。
もちろん無念の山口の分まで…の思いもある。「本人(山口)にしか分からない悔しい思いがあると思う。自分ができることは、俊が戻ってくるときにチームが良い状態で、戻ってこられるようにすること。俊が戻ってきたら一緒に1年間戦っていきたい」と気を引き締めた。井納は山口の思いを胸に、開幕戦のマウンドに立つ。