巨人のエースへ成長
2016年、巨人の開幕は、菅野智之の先発で幕を開ける。
野球賭博問題で、先日契約解除が発表された高木京介を含め4名の投手がチームを去った。おそらく世間の目も、戦力的にも球団史上最も逆風の吹く中でのスタートになるであろう。
菅野は、11年のドラフト会議で日本ハムから1位指名を受けるも、巨人への入団希望が強く、入団を拒否。1年間の浪人期間を経て、12年のドラフト会議で巨人から単独1位指名を受けて入団した。
入団初年度の13年から、13勝(6敗)、12勝(5敗)、10勝(11敗)。3年目の15年こそ負け越したものの、3年間で最も多い179イニングを投げた。防御率は初の1点台を記録し、年々投手陣の柱としての安定感は増す一方である。
3年連続開幕投手は巨人では2リーグ制後4人目
菅野は、2年目の14年に初の開幕投手の大役を任されて以来、今年で3年連続の大役になることが確定している。過去2回の登板は、7回を投げぬき、いずれも勝利投手になっている。
巨人の往年の歴代名投手たちにおいても、2リーグ制後、3シーズン連続で開幕投手を務めた投手は、堀内恒夫(75年~78年)、斎藤雅樹(93年~97年)、上原浩治(00年~06年)の4投手しかいない。
そのなかで、3年連続開幕勝利投手になっているのは斎藤雅(94~96年完封)だけである。
菅野は、球団はおろか、球界全体に広がる暗いイメージを払拭する投球で、3年連続の開幕戦勝利を挙げることができるのであろうか。
浪人をしてまで貫いたジャイアンツ愛の灯火で、逆風の今こそ煌煌とチームを照らすときであろう。3月25日、東京ドームで答えは出る。