指揮官も「いいモノを見せてもらった」と手応え
とうとう開幕を迎えたプロ野球2016年シーズン。今年のペナントレースをどこよりも楽しみに、大きな期待を抱いて迎えたのは阪神ファンだろう。
なんといっても、新生・金本阪神の強い事、強い事。最終調整のオープン戦は勝率7割(7勝3敗5分)で見事優勝。最近3年間のオープン戦優勝チームは、いずれも公式戦でリーグ制覇を果たすという力強いデータもある。これで虎党が盛り上がらないわけがない。
今年の阪神のチームスローガン「超変革」が象徴するように、とにかく元気がいい。特にルーキー・高山俊と横田慎太郎の若き1、2番コンビの“新顔”が、今年の阪神の強さの源となっている。
オープン戦で13試合連続安打を記録するなど、もはや止められない状態の高山が虎の切り込み隊長を務める。
その打撃センスは、日本トップレベルといっても過言ではない。右に、左に、巧みなバットコントロールで安打を量産する。入団前の2015年、東京六大学リーグで通算安打の新記録(131安打)を樹立したのはフロックではなかった。
打席でバットを縦に構えるその姿は、そう、あのイチローとかぶる。開幕戦でも、先頭打者の第1打席という重圧をはね退け、プロ初打席で初安打を放つなど、いきなりその実力を発揮。1年目からどれほどの安打を積み上げるのか、今から楽しみだ。
また、高山の次に控える横田もいい。高卒3年目の今年、オープン戦で絶好調。高山に続く9試合連続安打を達成し、打率は高山超えの.393という驚きの数字をたたき出した。高山に負けず劣らずの野球センスに加え、父・真之さんは元ロッテのプロ野球選手というサラブレット。この攻撃的な1、2番が相手に与えるプレッシャーは相当なものだ。
強打者1人と対戦するよりも、やっかいな打者と連続で対戦する方がバッテリーとしては嫌なものだ。1番・高山が出塁すれば、2番打者は送りバントというのが定石。しかし、横田は違う。金本監督が「足があるから、バントの必要がない」と言うように、バントをしない2番打者。とにかくイケイケなこのコンビに、他球団のバッテリーは相当悩まされるはずだ。
中日との開幕戦は敗れてしまったものの、金本監督は「いいものを見せてもらった」と手応えを語った。“超変革”に乗り出した新生・阪神から目が離せない。