圧倒的強さのチームで、まだ本領発揮できていない男
今年も圧倒的な強さを見せているソフトバンク。現在2位のロッテとは7.5ゲーム差。早くも独走態勢に入りつつある。
そんな好調なチームにおいて、未だ本領を発揮できていない選手がいる。昨年のパ・リーグMVP男・柳田悠岐だ。
開幕直後は警戒されるあまり勝負すらしてもらえず、18試合連続四球の日本タイ記録を樹立。打たせてもらえないところで成績が上がらずに悩んでいたが、ここに来て打率.290(リーグ13位)、本塁打8(同11位タイ)、盗塁8(リーグ5位タイ)まで数字を上げてきたのは流石の一言だ。
それでも、ファンはまだまだ納得しない。打率.363、本塁打34、盗塁32でトリプルスリーに輝いた昨年の暴れっぷりを知っているだけに、男に求められる数字はこんなものではない。
交流戦首位打者へ“3度目の正直”!
スイッチが入ると止まらない柳田にとって、ひとつ良いキッカケになりそうなのが交流戦だ。
実はこの男、2年連続で交流戦打率2位という惜しい記録(?)を持っている。2014年はトップの山田哲人(ヤクルト/打率.378)に7厘及ばずの.371で2位。2015年は最後まで首位打者のタイトルを争った秋山翔吾(西武/打率.432)に3厘届かずの.429で2位。交流戦に個人タイトルはないものの、2年続けて“交流戦首位打者”の称号を逃しているのだ。
柳田と交流戦といえば、昨年の横浜スタジアムでの“バックスクリーン破壊弾”など、そのフルスイングでセ・リーグのファンを驚かせ、また魅了してきた。厳しいマークに苦しむ今年も、そのフルスイングは変わっていない。
独走するソフトバンクに、まだまだある“伸びしろ”――。柳田が“3度目の正直”を果たすくらいに打ち始めたら、いよいよソフトバンクは止まらない。