石毛、伊東に続く球団3人目の快挙
西武を引っ張る主将が、節目の記録を達成した。
19日、神宮球場で行われたヤクルトとの交流戦・最終戦。この日も「2番・左翼」で先発した栗山巧は、8回の第5打席でレフトへの安打を放ち、この日2本目の安打を記録。プロ入りから積み重ねてきた安打の数が『1500』に到達した。
2001年のドラフト4位で入団してから、西武一筋15年。2012年からはチームの主将も務めている32歳は、一塁塁上でなぜかヤクルトのマスコット・つば九郎から祝福の記録達成ボードを受け取ると、その甘いマスクから笑顔がこぼれた。
西武での1500安打達成は、石毛宏典(その後1833安打)、伊東勤(その後1738安打)に次ぐ史上3人目。ファンからの信頼も厚い次代の“ミスター・レオ”が、球団の歴史にその名を刻んだ。
なかなかスポットが当たらなかった野球人生
32歳という若さで1500安打を成し遂げた栗山であるが、これまでのキャリアで注目を浴びることは本当に少なかった。
2007年に頭角を現すと、2008年には片岡治大(現巨人)と組んだ攻撃的1・2番でチームの日本一に貢献。個人としても167安打でパ・リーグ最多安打のタイトルを獲得する。
以降は外野のレギュラーとしてチームに欠かせない存在となり、2010年から2011年、2013年から2014年と2度に渡って2年連続の全試合出場を達成。ベストナイン3回、ゴールデングラブ賞1回とリーグを代表する外野手に成長した。
しかし、これだけの実績がありながら、なんとオールスターゲームの出場は1度もない。選手間投票や監督推薦を含めても、1度もなかったのだ。
今シーズンは開幕から好調な打撃でチームをけん引したことから、Twitterをはじめとするネット上で「栗山をオールスターへ!」という運動がどこからともなくスタート。今では球団公式Twitterも「#VOTEライオンズ」、「#VOTE栗山巧」というハッシュタグを使って投票を呼び掛けている。
球団初の2000本安打へ!
安定した活躍を見せ、32歳9カ月という早さで1500安打に到達した栗山。これから期待がかかるのが、球団最多安打の更新。そして、球団初の2000本安打達成だ。
冒頭でも紹介した通り、栗山の1500安打達成は球団3人目の快挙。栗山の先に立つ人物はというと、以下のようになる。
【西武・通算安打ランキング】
1位 1833本 石毛宏典
2位 1738本 伊東 勤
3位 1500本 栗山 巧
現在66試合で73安打を放っている栗山のペースを年換算すると、今季終了時には158安打を記録する計算となる。すると、今季終了時の通算安打数は1585本。来季開幕時点では1位の石毛氏まで残り248本、2位の伊東氏までは153本まで迫る。
単純計算ではあるが、2年もあれば2人の偉大な先輩を一気に追い抜いてしまうような勢いだ。
また、今年のペース換算も含めたここ3年(2014年~2016年)のシーズン安打の平均を取ってみると、平均151本。このまま順調にいけば、2019年シーズンには通算安打が2000本を超える。
この時、栗山はまだ36歳。多少どこかでつまずくようなことがあっても、2000本安打は十分に達成できる範囲内にあると言えるだろう。
どんな時もチームのために尽くし、戦ってきた背番号「1」――。次の“ミスター・レオ”の快挙を祝福するとともに、これからの挑戦をたのしみに見守っていきたい。
【現役・通算安打トップ20】※日本での安打数に限る
1位 2057本 松井稼頭央(楽天)
2位 2042本 新井貴浩(広島)
3位 1938本 荒木雅博(中日)
4位 1912本 福浦和也(ロッテ)
5位 1831本 阿部慎之助(巨人)
6位 1828本 鳥谷 敬(阪神)
7位 1807本 内川聖一(ソフトバンク)
8位 1713本 井口資仁(ロッテ)
9位 1678本 村田修一(巨人)
10位 1536本 森野将彦(中日)
11位 1510本 中島宏之(オリックス)
12位 1500本 栗山 巧(西武)
13位 1498本 福留孝介(阪神)
14位 1455本 今江敏晃(楽天)
15位 1362本 サブロー(ロッテ)
16位 1312本 坂本勇人(巨人)
17位 1279本 田中賢介(日本ハム)
18位 1259本 後藤光尊(楽天)
19位 1178本 本多雄一(ソフトバンク)
20位 1170本 片岡治大(巨人)
(※6月19日終了時点)