メジャーでは今季2度達成
そう言えば、「サイクルヒット」という記録をあまり聞かなくなったような気がする。
「サイクルヒット」とは、本塁打、三塁打、二塁打、単打を一人の選手が1試合で打つことを言う。今年はロッテの井上晴哉が二軍戦で達成しているが、一軍では誰も成し遂げられていない。
海の向こうメジャーはというと、今季だけですでに2度も達成されている。最近では現地時間7月1日、インディアンズのラージャイ・デービスがブルージェイズ戦で達成した。
「1番・左翼」で出場したデービスは、1回に本塁打を放ち、3回には右翼へ三塁打、7回に中堅へ二塁打、そして9回に右前打を放って達成。このように「本塁打→三塁打→二塁打→単打」の順番でクリアすることは、“リバースサイクル”や“逆ナチュラル”と呼ぶ。
メジャーではこれまで302回・273人が記録したサイクルヒットであるが、そのうち“リバースサイクル”を達成したのはわずかに6人。最も最近のサイクルヒットは、非常に珍しいものだったのだ。
ちなみに、もう一人はブレーブスのフレディ・フリーマン。現地6月15日のレッズ戦で達成した。
日本の野球界では63人が達成
日本のプロ野球でも、できそうでできない難しい記録という印象がある。
日本では、これまでに延べ67回・63人が達成。かつて横浜で活躍したロバート・ローズは3度も達成し、日本の最多達成者となっている。
また、ヤクルトの古田敦也は92年のオールスター第2戦で達成。これはオールスター史上初の快挙であった。
さらにすごい記録というと、日米両方での達成。NPBとMLBの両方でサイクル安打を達成した選手……それが誰かと言うと、アレックス・オチョアという選手だ。
日本では中日や広島で活躍したアレックス。メジャーでは、メッツ時代の96年7月に達成し、日本でも04年4月13日の巨人戦で達成した。日米両方で達成したのは、この男が唯一である。
日本で最後に達成されたのは、14年9月2日まで遡る。広島のライネル・ロサリオが巨人戦で達成して以来、約2年間も出ていないのだ。1試合4安打だけでも難しいことであり、そうチャンスは巡ってこないのだが、是非とも狙って欲しい記録である。