最終年もチームを引っ張る主砲
打率.336(リーグ2位)、本塁打21(リーグ6位タイ)、打点69(リーグ2位)――。
今シーズン限りでの引退を表明しているレッドソックスの主砲デービッド・オルティスが、ここまでの78試合で残した成績である。
長年チームを支えてきた“ビッグ・パピ”も40歳。昨年のオフ、ついに自らの現役生活にピリオドを打つ決断を下した。
ところが、迎えた現役ラストイヤー。開幕から男の打棒は止まらない。行く先々でのあいさつ回りやセレモニーなど、「やることが多すぎる」とつらさを吐露したこともあったが、そんな中でリーグ屈指の成績を残しているのだからとてつもない。
最後までチームを「引っ張る」!
現地時間7月6日のレンジャーズ戦では、初回に右中間スタンドへと運ぶ20号2ラン。日本では先日、DeNAの筒香嘉智が球団初の「左打者による3年連続20本塁打以上」を達成したことで話題になったが、オルティスはこの一発で「15年連続20発以上」を達成している。
現地8日のレイズ戦でも2試合連続となる一発を放ち、メジャー生活で積み重ねてきた本塁打は524本。最終的にはどこまで数字を伸ばしてユニフォームを脱ぐのか、今後の打席からも目が離せない。
レッドソックスは現在ア・リーグ東地区の3位。といっても首位・オリオールズとは2ゲーム差。その背中がハッキリと見える位置につけている。
何と言っても今年は打線が好調で、チーム打率はメジャー30球団中トップの.292。オルティスは40歳にして、そんなメジャー最強打線の中心としてチームを引っ張っている。
“ビッグ・パピ”に有終の美を――。ボストンの誰もが願う悲願であるが、みんなでオルティスを「連れて行く」という感覚はまるでない。オルティスは最後の最後まで、チームを高みへ「導こう」としている。
徐々に近づいてきた現役生活の最期。オルティスの選手生活はどんな終わりを迎えるのか。最後まで戦い続ける“ビッグ・パピ”を見守りたい。