二軍戦で豪華な投げ合いが実現
打撃三冠の山田哲人(ヤクルト)、20日の試合でシーズン自己最多となる11号本塁打を放った二刀流の大谷翔平(日本ハム)などが一軍の舞台で大活躍している。一方で、本来は山田や大谷と同じように一軍で活躍していてもおかしくない選手たちが、故障や不振、チーム事情などにより、二軍で過ごしている。
タマスタ筑後で行われた20日のソフトバンク-阪神の二軍戦では、ソフトバンクが摂津正、阪神が岩田稔と、昨季まで一軍の先発ローテーションに入っていた2人の投げ合いが実現した。この投げ合いは6回を投げて、7安打2失点に抑えた摂津に軍配。一方、敗れた岩田は3回に3点を失うなど、5回4失点という投球内容だった。
今季開幕投手を務めた摂津は、4月7日のロッテ戦で4回1/3を投げて、7失点でノックアウトされるなど、一軍では3試合に登板して、0勝2敗、防御率9.42と精彩を欠き、翌8日に二軍落ち。二軍戦では20日の阪神戦で5勝目を挙げたが、一軍は和田毅、武田翔太、千賀滉大、東浜巨など先発陣が充実しており、なかなかチャンスが回ってこない状況だ。
一方の岩田は昨季、メッセンジャー、藤浪晋太郎、能見篤史とともに先発の一角を担い8勝をマークした。今季も先発の軸として金本知憲監督から大きな期待を受けたが、0勝3敗、防御率7.11と結果を残せず、4月27日の巨人戦を最後に一軍登板から遠ざかっている。最下位に沈むチームは、メッセンジャーが8勝を挙げているものの、藤浪晋太郎、能見篤史がピリッとしない。開幕から好投を続けてきた岩貞祐太も疲れが見え始めている。岩田は早く本来の姿を取り戻し、一軍のマウンドに戻りたいところだ。
オリ・中島、楽天・松井稼も二軍で汗を流す
野手もパ・リーグ下位に沈む2球団のベテランが、二軍で汗を流す。昨季、大型補強の目玉の一人として、オリックスに加入した中島宏之がその一人。1年目の昨季は、117試合に出場して、打率.240と低迷。今季もここまで打率.235と苦しみ、6月26日に一軍登録を抹消された。
中島が降格後は、奥浪鏡、大城滉二、伏見寅威らを積極的に起用し、若手の育成にシフトしつつある。そうしたチーム事情もあり、今月31日に34歳を迎えるベテランの中島は、二軍で汗を流す日々が続いている。
また、昨季楽天の外野手で唯一規定打席に到達した松井稼頭央も、二軍で再調整中だ。40歳の大ベテランは、春先に躓いた。3月25日のソフトバンクとの開幕戦で、「3番・中堅」で先発出場するも、5打数0安打に終わると、今季初安打が生まれるまでに19打席を要した。その後も打撃の調子が上がらず、6月11日に二軍落ち。
現在は、若手に混じって二軍戦に出場している。20日のDeNAとの二軍戦で、1安打を記録するなど、ここまで11試合に出場して、打率.375、2打点と好調を維持。ただ、楽天の外野はオールスターに出場した岡島豪郎を始め、俊足の聖沢諒、新外国人のペレス、ルーキーのオコエ瑠偉といったレギュラー候補の選手が多い。さらに、21日には新外国人のペゲーロ外野手の獲得を発表するなど、一軍のイスを巡って争いが激しくなりそうだ。
その他、2年連続でゴールデングラブ賞を受賞した荒波翔(DeNA)、13年に最多セーブのタイトルを獲得した西村健太朗(巨人)なども二軍で過ごしている。