女子野球にも入団テストがある!
ここ数年、一気に女子野球を取り巻く環境が変わってきた。
女子野球の人口は右肩上がりに増加し、女子プロ野球をはじめ、クラブチーム、高校の女子野球部、大学野球部、中学リーグ...と競技人口を増やし続けている。
リトルリーグなどの学童野球にも女子選手は多く在籍し、硬式の野球に挑戦する女子たちも後を絶たない。男子同様、この女子野球選手たちに中にも「プロ野球」を目指している選手が多くいるのだ。
日本で唯一の女子プロ野球である「日本女子プロ野球リーグ」では、今年も未来のスター選手を目指す女子選手を対象に、入団テストを行う。関西地区と関東地区に分けて行うテストでは、男子とほぼ変わらない内容のテストが行われ、女子と言えども狭き門になっている。
今年行われた巨人の新人テストと、その内容を比較してみよう。
【読売巨人軍・新人テスト】
☆受験資格:18歳~26歳
(1)50メートル走6.3秒以内、遠投95メートル以上
(2)1の合格者のみベースランニング及び投手ならば投球、野手は打撃と守備、捕手は二塁送球テスト等を行う
【女子プロ野球入団テスト】
☆受験資格:「女子プロ野球を普及し、発展させたい」という熱い気持ちを持つ女性(※未成年者は保護者の承諾が必要)
・テスト1日目
(1)50メートル走と遠投、投手は投球、野手は打撃と守備
(2)シートノック、シートバッティング
・テスト2日目
(1)試合形式のシートバッティングもしくは紅白戦
(2)面接・メディカルチェック
このように、内容でいえば男子プロ野球よりもチェック項目が多く、厳しい選考基準になっている。
「プロ志望届」の扱い
また、面白いのが応募基準。男子高校生であれば、プロ入りを志望する生徒は「プロ志望届」を提出しなければいけないというルールがある。女子もこれは一緒で、高校で日本高等学校野球連盟(男子硬式野球部)に所属する女子選手、同じく全日本大学野球連盟に所属する女子選手は、男子同様「プロ志望届提出」の義務がある。
しかし、ここからが男子と違う部分。高校で“女子硬式野球部”に所属している選手、いわゆる男子硬式野球の高野連に所属していない、高校の女子硬式野球部は、「プロ志望届」の提出の必要はない。そう、誰にでもチャンスがあることになる。こんなところにも男女の違いがあるのだ。
先日、甲子園練習での女子マネジャーのグラウンド立ち入り禁止問題が波紋を呼んだが、やはり日本国内においては、まだ男女野球における“壁”が存在している。
今月末に開催される女子野球のプロテスト。すでに数十人からの応募者があり、憧れの女子プロ野球のグラウンドを目指す女子野球選手が集う見込みとなっている。
発展をつづける女子野球。この現実を日本球界は受け止めなければいけない。