BIG3だけじゃない!
しなやかなフォームで投げ込まれる糸を引くようなストレートに、甲子園の観衆はどよめいた。
栃木県代表・作新学院の今井達也投手は、香川県代表の尽誠学園を5安打、13三振を奪う好投を披露し、この夏の主役に名乗りを上げた。
この夏の甲子園を迎えるに当たっては、高校BIG3と呼ばれる3投手に注目が集められていた。神奈川・横浜の藤平尚真、埼玉・花咲徳栄の高橋昂也、そして大阪・履正社の寺島成輝。
しかし、この日の今井は“BIG3”に匹敵する、というよりも凌駕するような素晴らしいボールの威力とキレを見せた。
「最初から一人で投げきるつもりだった。完封はその結果。まわりのおかげで自分の投球ができた」。尽誠学園打線から三振の山を築き、ストレートは自己最速の151キロを計測。また、作新学院の投手としても、1973年選抜の江川卓以来43年ぶりという甲子園での完封を果たした。
スカウトたちの評価も急上昇
この投球を見たプロ各球団のスカウトたちも脱帽。なかには今秋のドラフト1位もあるのではというほど、一気にその評価を上げた。
2回戦の尽誠学園戦後には「実力はまだまだなので、全国のピッチャーとしっかり投げあって、一戦一戦良いピッチングができるようにしたい」と話した今井。
甲子園の舞台でその才能の輝きを見せ始めた右腕は、17日の第2試合で、BIG3の1人である高橋昂也を擁する花咲徳栄と対戦する。刺激しあってさらなる高みに上れるか? 今からその対決が待ち遠しい。