ニュース 2016.08.23. 13:00

日本球界を経て夢を叶えた男がまた一人…ベールを脱いだキューバの至宝

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メジャーデビューを果たしたユリエスキ・グリエル

日本に旋風を巻き起こした男


 みなさんは“キューバの至宝”と呼ばれた男のことを覚えているだろうか――。

 ユリエスキ・グリエル。DeNAで活躍し、日本に“キューバ旋風”を巻き起こした立役者の一人である。


DeNAでファンの心を掴むも...


 国際大会で名を上げ、“至宝”とまで呼ばれた男が日本にやってきたのは2014年シーズンの途中のこと。まさに電撃加入であった。

 来日してすぐに日本野球への順応を見せると、62試合の出場で打率.305、11本塁打、30打点と活躍。ファンの心を掴むと、去就に揺れながらも一旦はDeNAの残留が決定。弟のルルデスの入団も決まり、2015年にDeNAには“グリエル旋風”が期待されていた。

 ところが、待てど暮らせどグリエル兄弟は現れない。日本のシーズンオフにキューバ母国リーグに参加していたとはいえ、チームがプレーオフに敗れてシーズンが終了しても姿は見せず。その後は「ケガの治療」を理由に来日がどんどん遅れ、そのまま音信不通に。そしてシーズン開幕直後の4月2日、ついに自由契約となる。

 ちなみに、弟の方も来日はなく、制限選手として名簿に記載された後、2015年のオフに自由契約となった。


どうにか夢を叶えた32歳


 その後はしばらく話題にも挙がらなかったが、今年2月にアメリカでグリエルの亡命が報じられた。

 国際大会に出場したグリエル兄弟は、開催地のドミニカ共和国でチームから離脱。アメリカに向かった。目的はもちろん、メジャーリーグ入り。亡命をし、強引ながらも夢の舞台への挑戦に踏み切った。

 しかし、その後はなかなか所属先が決まらず。ようやく契約合意となったのは7月に入ってからのことである。

 紆余曲折を経て、いよいよ夢へのスタートラインに立ったグリエル。現地時間8月21日のオリオールズ戦でついにメジャーデビューを果たすと、初打席でセンターへの安打を放った。

 結果は「6番・指名打者」で出場し、2打数1安打、1四球で途中交代。上々のスタートに、「とても興奮した」と喜びを語っている。

 様々な困難を乗り越え、すったもんだを繰り返しながらも、自らの夢を叶えたグリエル。“32歳のルーキー”の挑戦から目が離せない。

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