創設80年目の屈辱
9月25日に行われた中日-阪神の一戦。中日にとっては今シーズンのホーム最終戦となったが、結果は1-4の敗戦。1995年以来となる21年ぶりとなるシーズン80敗目を喫し、1997年以来で17年ぶりの最下位が決定した。
まさに最悪のタイミング。試合後に行われた本拠地最終戦セレモニーでは、ファンからの罵声が飛び交った。
今年は球団創設80周年という節目の一年だった。3年連続Bクラスという屈辱を経て、谷繁元信監督の“監督専念”が決定。今年こそ強竜再建を目指して戦ってきたが、5月から5カ月連続で負け越しと泥沼の状態が続く。苦戦の中で這い上がる兆しも見えず、ついには8月の上旬に谷繁監督が“休養”するまでに追い込まれてしまった。
メモリアルイヤーの屈辱。竜の未来はどこにあるのか...。そんな中で挿した一筋の光といえば、ファームの奮闘である。
“ガッツ”は竜の救世主となるか...
2011年に優勝を果たすも、その後は最下位、最下位、最下位、4位と一軍同様に苦しい戦いを強いられてきた二軍チーム。ところが、今シーズンから小笠原道大が新監督に就任すると、チームの状態は一気に上向いた。
最終的には2位となるも、ウエスタンリーグ5連覇を果たした絶対王者・ソフトバンクに立ち向かい、そして食い下がる。最後まで諦めないその姿勢は、“ガッツ魂”そのもの。選手たちに戦うメンタルを植え付け、上位躍進へと導いた。
監督としては新米であるが、現役時代から背中を見せてチームを引っ張ってきた男。ガッツなら、苦しむ竜を救えるかもしれない。そんな期待を抱くファンも多くいる。
正式発表はまだではあるが、すでに一軍昇格が“既定路線”という報道も出ており、今後の動向に注目が集まる中日の監督人事。あの憎らしいほどの強さを取り戻すことができるか。屈辱のメモリアルイヤーを経て踏み出す、81年目の新たな一歩に注目だ。