現行制度では12球団最多の8人がFA移籍
日本ハムの10年ぶり日本一で日本シリーズが幕を閉じ、いよいよストーブリーグに突入する。日本野球機構は18日、2016年度のフリーエージェント(FA)有資格選手名簿を公示。これまでに資格を有していた選手も含め、総勢88名がFA有資格選手となった。
FA市場には陽岱鋼(日本ハム)、岸孝之(西武)、糸井嘉男(オリックス)、山口俊(DeNA)、大島洋平(中日)、平田良介(中日)といった目玉選手が多い。球団としては、選手が掴んだ権利ではあるが、主力選手をFAで手放したくないところだろう。
中でも、現行のFA制度となった2008年から西武は8人と流出選手が最も多い。さらにFA制度が導入された93年から合わせても14人と12球団最多だ。
<現行の制度となってからFA移籍した選手>
【2010年】
細川亨(西武 → ソフトバンク)
土肥義弘(西武 → ランカスター)
【2011年】
許銘傑(西武 → オリックス)
帆足和幸(西武 → ソフトバンク)
【2012年】
中島宏之(西武 → アスレチックス)
【2013年】
片岡治大(西武 → 巨人)
涌井秀章(西武 → ロッテ)
【2015年】
脇谷亮太(西武 → 巨人)
毎年のように西武は主力選手をFA移籍で失っている。特に13年オフは、チームの顔と呼べる選手が2人同時に抜けた。07年から4年連続盗塁王に輝き、長年西武のリードオフマンとして活躍した片岡治大がFA権を行使して巨人へ移籍。さらに06年から5年連続で2桁勝利を挙げ、12年と13年には守護神を務めた涌井秀章も、プロ1年目から3年目まで指導を受けた伊東勤監督が指揮を執るロッテへ移籍した。
昨季もユーティリティープレーヤーとして活躍した脇谷亮太がFA権を行使し、古巣の巨人に戻っている。
エース・岸はFA権行使の噂も…
今オフは、今季で3年契約が切れるエース・岸孝之の去就が注目される。岸は06年の大学・社会人ドラフトで、希望枠で西武に入団。1年目の07年、先発ローテーションに入り11勝を挙げると、プロ入りから4年連続で2桁勝利をマーク。11年は8勝に終わるも、12年から再び3年連続で2桁勝利を挙げ、14年には最高勝率のタイトルを獲得した。ここ2年は故障でシーズン途中に離脱するシーンもあったが、それでも今季は9勝を挙げ、防御率は2.90と安定。
開幕投手を務めた菊池雄星が12勝をマークし、ルーキーの多和田真三郎もまずまずの働きを見せた。高橋光成も今季は4勝に終わったが、3年目の来季は巻き返してくるだろう。若手・中堅の先発投手が順調に育ってきてはいるが、先発防御率がリーグ5位の4.10ということを考えると、仮に岸がFA権を行使し移籍した場合、かなりの痛手だ。チームとしては、何としてもエースを引き留めたいところだろう。
一部報道では、岸がFA権を行使との噂も出ている。今年も主力選手が流出するのか…。それとも、岸を引き留めることができるのか…。今後の動向に注目だ。
<国内FA有資格者>
野上亮磨 ☆+
上本達之 ☆
<海外FA有資格者>
岸 孝之
炭谷銀仁朗
渡辺直人 ☆
中村剛也
栗山 巧
(☆=新規、★=反復、+=開幕特例日数/オールスター特例日数加算、*=故障者特例日数加算)