阪神・高橋はチーム最多登板
にわかにざわつき始めたストーブリーグ。国内FA権を取得した糸井嘉男(オリックス)に対しオリックスが残留提示を示せば、大島洋平(中日)は国内FA権の行使を示唆しているとの報道が出ている。今オフは例年以上に、FAによる移籍が活発化しそうな雰囲気だ。ここでは今季の注目FA選手ではなく、昨季FA権を行使して移籍した選手たちがどんな成績を残したのか見ていきたい。
FA移籍組で目立った活躍を見せたのは、中日から阪神へFA移籍した高橋聡文だろう。高橋は中日時代の10年にセットアッパーとしてリーグ優勝に貢献。翌年以降は、故障に苦しみ思うような結果を残せずにいた。
阪神へ移籍した今季は春先、勝ち試合の大事な場面を任されるなど、安定感を欠いたリリーフ陣の中で存在感を見せた。特に3・4月は14試合に登板して、防御率1.69と抜群の成績を残した。夏場以降は、やや不安定な投球を見せることもあったが、チームトップの54試合、20ホールドを達成。阪神に移籍し、復活を印象付ける1年となった。
高橋聡文(中日→阪神)
昨季成績:35試 3勝3敗 防3.51
今季成績:54試 3勝1敗 防3.76
楽天・今江はロッテ時代の力を発揮できず
ロッテから楽天へ移籍した今江敏晃は、本来の力を発揮することができなかった。今江はロッテ時代の05年にレギュラーに定着。同年と10年の日本シリーズではMVPに輝くなど、長年三塁手のレギュラーとして活躍した。
昨オフ、三塁手に課題を抱えていた楽天にFA移籍。チームの中心選手として活躍が期待されたが、「左ヒラメ筋炎」のためキャンプは二軍で別メニュー調整。開幕に間に合ったものの、「左尺骨骨挫傷」のため4月15日に一軍登録抹消。
その後復帰するも、打撃不振で二軍落ちを経験。それでも、7月3日に再昇格すると、7月は月間打率.323、8月が.318と3割を超えた。今季は不本意なシーズンを送ったが、来季の巻き返しに期待したいところだ。
今江敏晃(ロッテ→楽天)
昨季成績:98試 率.287 本1 点38
今季成績:89試 率.281 本3 点23
巨人・脇谷は打撃に苦しんだ1年
2013年以来3年ぶりに巨人へ復帰した脇谷亮太は苦しい1年となった。西武時代の昨季はユーティリティープレーヤーとして、118試合に出場して、打率.294、3本塁打、22打点の成績を残した。
復帰した巨人でもユーティリティープレーヤーとしての活躍を期待されたが、昨年9月に右足首を骨折した影響で出遅れたのが痛かった。4月29日に移籍後初昇格を果たすも、一時は打率.105まで落ち込むなど極度の打撃不振で、6月26日に二軍落ち。
再昇格後には8月23日の広島戦でサヨナラ本塁打を放つ活躍を見せたが、その後は8打席連続無安打に終わり、9月3日に再び二軍へ降格した。結局今季は、54試合に出場して、打率.157と精彩を欠いた。
脇谷亮太(西武→巨人)
昨季成績:118試 率.294 本3 点22
今季成績:54試 率.157 本1 点7
西武・木村昇はまさかの戦力外
木村昇吾は広島からFA宣言し、テストの末、西武に入団。テスト入団ではあるが、FA移籍として扱われる。木村昇は4月23日に昇格すると、同日の楽天戦で移籍後初安打。同月30日のソフトバンク戦では、代打で登場し三塁打を放つなどマルチ安打を記録する活躍ぶり。
守備でも三塁、一塁、遊撃と様々なポジションをこなし、必死にアピールを続けた。しかし、5月中旬が過ぎると当たりが止まり、6月は月間打率.059と苦しんだ。さらに右膝前十字靭帯を断裂し離脱。シーズン中に一軍に復帰することなく、戦力外通告を受けた。
木村昇吾(広島→西武)
昨季成績:72試 率.269 本0 点8
今季成績:38試 率.221 本0 点5