中日では岩瀬が大型契約を結び活躍
今季取得したFA権を行使せず中日に残留を決めた平田良介が、複数年契約を結んだとの報道が出た。
中日では08年オフに荒木雅博、井端弘和、森野将彦と5年契約、岩瀬仁紀が4年契約を結んだことがある。荒木、森野、岩瀬の3人はチームの中心として欠かせない存在感を発揮した。特に岩瀬は不振で調子を落とした時期もあったが、4年契約の間に3度(09、10、12)、最多セーブのタイトルを獲得する活躍を見せた。
一方、井端は09年に打率3割を記録したものの、故障に悩まされたこともあり、5年契約中に100試合に出場したシーズンは09年と12年だけ。5年契約を結ぶ以前は、01年から毎年のように100試合以上出場していただけに、期待通りの働きを見せることができなかった。
他球団の複数年契約選手の成績は?
他球団で複数年契約を結んだ選手は、どんな活躍を見せているのだろうか…。4年契約の3年目を終えた内川聖一は、昨年は打率.284に沈んだものの、まずまずの働きを見せる。リーグ3連覇を目指した今季、チームは2位に終わったが、内川の個人成績は打率.304、18本塁打、106打点。打点はプロ16年目で自己最高の記録を残した。
内川のように変わらず活躍する選手もいるが、複数年契約を結ぶも成績が下降した選手もいる。鳥谷敬(阪神)がその一人だろう。14年オフにFA宣言するも、5年契約を結び阪神に残留。5年契約1年目の昨季は、序盤こそ打撃不振に苦しんだが、最終的に打率.281で終えた。
しかし今季は、開幕から打撃不振が続き、7月24日の広島戦でスタメンから外れ、12年3月30日のDeNA戦から続いていた連続フルイニング出場が667試合で途切れた。フル出場は継続しているが、シーズン後半からは北條史也がショートのポジションに入り、鳥谷はベンチスタート、もしくはサードで出場するなど苦しい1年となった。来季以降の巻き返しに期待だ。
その他、4年契約の2年目を終えた金子千尋(オリックス)、3年契約の2年目を終えた松坂大輔(ソフトバンク)、3年契約の1年目を終えた畠山和洋(ヤクルト)なども不本意な結果に終わっている。
現役引退組では、松中信彦が05年オフに日本プロ野球史上最長の7年契約を結んだが、06年に打率.324を記録したものの、大型契約前のような活躍を見せることができなかった。
複数年契約を結び活躍するケースがある一方で、成績を落とす選手が多い印象だ。大型契約を結んだといわれる平田は来季以降、結果を残すことができるだろうか。