「どんな手を使っても先発枠を」
楽天の辛島航が27日、仙台市内で契約更改交渉に臨み、300万円減の3000万円でサイン。来季9年目を迎える左腕は球団を通じ、「岸さんも入りますし、どんな手を使ってでも先発の枠を勝ち取らないといけない。1年間ケガをしない体作りをし、結果的に規定投球回を投げたいです」とコメントした。
高卒6年目の2014年に8勝13敗ながら防御率3.79、初の規定投球回クリアとなる154回1/3を消化した左腕も、ここ2年は故障続きで15年5勝(7敗)、16年3勝(7敗)と白星は右肩下がり。年俸も14年の4200万円から2年連続のダウンとなり、期待に応えられないシーズンが続いている。
その間、20歳の安楽智大が順調に成長しており、今季はトミー・ジョン手術から復帰した釜田佳直も、7勝5敗、防御率4.14の成績で復活をアピールした。さらに、美馬学、塩見貴洋の中堅コンビも揃って規定投球回をクリアし、エースの則本昂大とともにシーズンを通して先発ローテーションを守った。
この先発陣に、来季から前西武の岸孝之が加わる。故障続きの辛島にとっては競争からのスタートとなるが、貴重な先発左腕としてやってもらわなければならない存在でもある。
楽天は辛島以外にも、森雄大、大塚尚仁、浜矢廣大など、伸び悩んでいる若手左腕が多い。今オフは岸とともに元ソフトバンクの細川亨も獲得しており、ベテラン捕手との化学反応にも期待したいところだ。
岸を大型契約で引き抜くなど、今オフのストーブリーグを盛り上げている楽天。それでも既存戦力の底上げなくして、4年ぶりのAクラス入りは考えられない。塩見、辛島あたりが初の2ケタ勝利を記録するようなことがあれば、来年の10月は高確率でポストシーズンを戦っているはずだ。(金額はいずれも推定)