山口俊がFA移籍。DeNAの補強ポイントは!?
DeNAからFA宣言した山口俊の巨人入りが報じられた。
DeNA内における山口俊の年棒はBランクと見られており、その山口をFAで失うDeNAは、移籍先の球団から「年俸の60%にあたる金銭」か「40%の金銭+人的補償」かを選ぶことができる。DeNAが「金銭+人的補償」を選んだ場合、どこが補強ポイントになるのだろうか――。
今シーズンを振り返ると、野手はファースト・ロペス、ショート・倉本寿彦、レフト・筒香嘉智、センター・桑原将志、ライト・梶谷隆幸の5人が規定打席に到達。規定打席に届かなかったが、戸柱恭孝はチーム最多の110試合にマスクを被り正捕手に名乗りをあげた。
セカンドとサードはシーズン通して固定することができなかったが、シーズン途中から筒香の後を打つ5番に座った宮崎敏郎が両方をこなし、今オフにはユーティリティーな田中浩康を獲得するなど、野手陣は比較的充実している。
一方投手陣は、石田健大、今永昇太といった若手の活躍はあったが、チーム防御率はリーグ5位の3.76に終わった。特に山口俊は今季、5つの完投を記録するなど、イニングを稼げる貴重な存在であり、そこが抜けるとなると当然、投手陣の再編が必要になる。
投手陣はリーグ5位のチーム防御率
先発陣は侍ジャパンにも選出された石田、ルーキーの今永昇太が8勝、規定投球回に到達した井納翔一らがローテーション軸として期待されるが、来季も続けて活躍できるかは未知数。過去にも14年に久保が12勝、井納が11勝、モスコーソが9勝、山口が8勝をあげるなど、先発が充実したシーズンもあったが、翌年は久保が8勝、井納が5勝、モスコーソと山口が3勝に終わった。3Aで14勝を挙げたウィーランドを補強したが、先発投手の補強は必須になる。
また、ブルペン陣は“勝利の方程式”の三上朋也、山崎康晃を始め、田中健二朗、須田幸太などがいるが、救援防御率もリーグ5位の3.76だった。特にシーズン終盤に三上、山崎康が打ち込まれる場面も多く、ブルペン陣の強化も必要だ。
一方、セカンドとサードは1年通して固定することができなかったが、セカンドを主戦場にする田中に加え、サードには新外国人のシリアコの獲得。シーズン終盤にレギュラーに定着した宮崎敏郎が、セカンドとサードの両方をこなせることを考えると、投手陣に比べてセカンド、サード候補の獲得は優先度が低くなりそうだ。
DeNAの高田GMは「(人的補償の)リストがきてから」と語っており、最終的にどのような判断を下すのかはまだまだ未知数。シーズンオフに突入したものの、目が離せない展開が当面続きそうだ。