サードで53試合に先発出場したルナが退団
25年ぶりにリーグ優勝を果たした広島。今季はファースト・新井貴浩、セカンド・菊池涼介、ショート・田中広輔、センター・丸佳浩、ライト・鈴木誠也と5人が規定打席に到達した。
内野はサードを除いた3つのポジションで規定打席に到達。サードが1つ課題のポジションといえそうだ。今季はプロ9年目の安部友裕がチーム最多の58試合で先発出場し、次いでルナの53試合、小窪哲也の15試合とレギュラーを固定することができなかった。
今季中日から加入したルナがレギュラーを掴むかと思われたが、故障で離脱した期間が長く、来日後、自己最少となる67試合の出場にとどまり、打率.272、5本塁打、34打点に終わった。守備では53試合で10失策を記録し、今オフに自由契約となった。
ルナが抜けたが、現時点で新助っ人獲得の発表がされていない。今季サード最多出場の安部を始め、堂林翔太、西川龍馬らで、レギュラー争いが繰り広げられることが予想される。
レギュラー筆頭は安部か…
現時点でレギュラー筆頭は安部か。安部は二軍で最多安打、2度の盗塁王と圧倒的な成績を残してきたが、一軍では力を発揮することができった。しかし、今季は開幕一軍を掴むと、春先は守備固めでの出場が多かったが、ルナで離脱するとサードでのスタメンが増加。
5月に月間打率.367を記録するなど猛アピール。調子を落とした時期もあったが、8月に月間打率.358をマークするなど盛り返し、自己最多の115試合に出場して、打率.282とリーグ優勝に大きく貢献した。ルナが抜けた今、レギュラーに最も近い存在といえる。オフの取り組みが非常に重要になってきそうだ。
【安部友裕の今季成績】
115試 率.282 本6 点33
近年精彩を欠く堂林
堂林翔太の存在も忘れてはならない。堂林はプロ3年目の12年に全144試合に出場し、チーム最多の14本塁打を記録した。同年のオフに背番号「13」から「7」に代わり、球団だけでなくファンからも大きな期待を寄せられたが、13年以降は故障や打撃不振でその座をモノにすることができず、時間が過ぎた。
プロ7年目の今季は、二軍暮らしが長く、一軍では47試合の出場にとどまり、打率.250、2本塁打、2打点と不本意な成績に終わった。チームが25年ぶりの歓喜で沸いた中、悔しい1年に終わった堂林。来季はレギュラーを奪取し、鬱憤を晴らす1年としたいところだ。
【堂林翔太の今季成績】
47試 率.250 本2 点2
来季2年目の西川も期待大
広島の出世番号「63」を付ける西川も、レギュラーに近い存在といえる。ドラフト5位と下位指名で入団した西川だが、プロ1年目の今季、代打や守備固めを中心に62試合に出場。
西川はプロ初打席となった3月27日のDeNA戦で、右中間を破る三塁打を放つなど、少ない打席機会で非凡な打撃センスを見せつけた。社会人出身の田中広輔がプロ2年目にショートのレギュラーに定着したことを考えると、西川もプロに慣れた2年目の来季、サードのレギュラー奪取の可能性が十分にありそうだ。
【西川龍馬の今季成績】
62試 率.294 本0 点3
二遊間は固定されており、ここにサードもレギュラーと呼べる存在の選手が出てくれば、今季以上の上積みが期待できる。新外国人の補強をこの先行うのか…。それとも、現有戦力での争いとなるのか…。来季、広島のサードを誰がモノにするか注目だ。