ヤクルトの中継ぎ事情
2015年にリーグ優勝を成し遂げたヤクルトの強みの1つは久古健太郎、秋吉亮、ロマン、オンドルセク、バーネットという鉄壁のリリーフだった。
オフにバーネット、ロマンがチームを去りオンドルセクを守護神として今シーズンに臨んだが、首脳陣への批判が発端となりシーズン半ばで退団。秋吉をセットアッパーからクローザーに配置転換し、シーズンをなんとか乗り切ったがリリーフのやり繰りには苦労した。
クローザー候補は現在3人
秋吉は連投、回跨ぎができるためクローザーとしての起用よりもセットアッパー、ピンチの際の切り札として起用したいと予想される。本人は登板間隔が空くと調子が悪くなると語っているが、入団から3年で205試合に登板しており登板過多の懸念もある。
【秋吉亮の今季成績】
70試 3勝4敗19S10H 防2.19
新外国人のギルメットはマイナーリーグでは2011年から4年間クローザーも行っており通算104セーブをマークしている。この数字からクローザー適性はありそうだが、日本に適応できるかは未知数。オープン戦での投球内容次第といったところだろう。
【ギルメットの今季成績】
(米マイナー)65試 3勝3敗 防2.77
来シーズン2年目となるルーキは、今シーズン秋吉に次ぐ69試合に登板し33Hを挙げる活躍を見せた。投球が単調となり真中監督から苦言を呈されることもあったが、2年目となる来シーズンは守護神候補としてキャンプに臨むことになりそうだ。バーネットは3年目、オンドルセクは2年目にクローザーになったことを考えても可能性は十分にある。
【ルーキの今季成績】
69試 6勝6敗33H 防3.06
投手コーチの配置転換が影響する可能性も
2014年から続いていた高津臣吾、伊藤智仁の投手コーチ体制が来シーズン変更となる。高津投手コーチが二軍監督となり新たに石井弘寿が二軍投手コーチから一軍投手コーチへと配置転換。押尾健一戦略コーチ兼スコアラーが戦略コーチ兼投手コーチ補佐となり、投手コーチは3人体制となる。
ブルペンの準備などは高津コーチがアメリカ、台湾で学んだ準備方法を導入していたが、体制が変わり来シーズン以降の調整方法、そして起用法に変化が現れるかもしれない。
後ろが安定しないと勝つことができない現代野球においてクローザー固定は重要項目の1つだ。来シーズン、ヤクルトのクローザーが誰になるのか注目したい。