コーディエ、リズともに期待ハズレ…
大型補強を続ける巨人が、今度は新守護神候補としてマリナーズのアークイメデス・カミネロ投手に触手を伸ばしている。
最速164キロを誇るドミニカ共和国出身の右腕は、今季パイレーツとマリナーズで計57試合に登板し、2勝3敗1セーブ、防御率3.56の成績をマーク。ただし、60回2/3を投げ50三振を奪っている一方で、計38四死球を記録。9イニングを投げた場合の四死球数を示す“与四死球率”は5.64と、制球面に一抹の不安を残す。
振り返ると昨オフも、「最速160キロ超え!」との触れ込みで入団した新外国人投手がいた。その代表格がオリックスのコーディエ。“自称・165キロ”の新守護神は意気揚々と来日したが、開幕(西武)戦の9回、1点リードの場面で四球後に2連続適時打を許し、サヨナラ負けでのセーブ失敗デビューとなった。
その後も制球難は改善されず12回1/3で計15四球を記録。6月の抹消後は一軍復帰することなく、0勝2敗2セーブ、防御率7.30の成績で解雇された。
楽天に入団したリズも“最速163キロ”とインパクトは大きかった。しかしこちらも、勝ちパターンと期待されながら制球難を露呈。先発転向2戦目となった6月8日のヤクルト戦では、初回から押し出し四球を与えるなど3回途中5四球と苦しみ、結局5試合の登板で0勝3敗、防御率6.94と期待を大きく裏切った。
パワーピッチャーでもまずは“制球力”
近年もっとも安定感のある外国人救援投手と言えばソフトバンクの守護神・サファテだろう。ソフトバンク加入後は3年連続で60試合以上に登板し、防御率も1点台をキープし続けている。
さらにイニング数に若干の違いはあるものの、与四死球数は14年の23、15年の15、16年の11と年々減少。今季は与四死球率1.59の好成績を残すとともに、登板履歴改めてを振り返ってみると、15年から2シーズン連続で、2つ以上四死球を与えた登板が1度もなかった。
日本ハムのリーグ優勝を支えたマーティンも、やはり制球力に優れた投手だ。こちらは入団前から球速がクローズアップされることはほとんどなく、203センチの長身が話題となった。セットアッパーを任された春先はボーク騒動で気性の荒さが懸念されたが、終わってみれば52試合の登板で2勝0敗21セーブ、防御率1.07の好成績をマーク。与四死球率もサファテを上回る1.24をマークし、最後は増井に代わり新守護神としても存在感を発揮。見事に日本での成功を掴んだ。
冒頭のカミネロ同様、DeNA入団が決まったパットン(前カブス)なども奪三振率が高い反面、四死球が多いタイプ。彼らが本物のパワーピッチャーとして日本人打者を牛耳るか、それとも粘りに屈するか。1年後の結果が楽しみだ。