コラム

改めて感じた「助っ人の重要性」

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外国人史上2人目の沢村賞に輝くなど、大活躍だったジョンソン(C)KYODO NEWS IMAGES

優勝チームに優秀な助っ人アリ


 近年まれに見る激闘が繰り広げられた日本シリーズからまもなく2週間――。

 シリーズを振り返ってみた時、流れを大きく左右したのが“助っ人のはたらき”だったように思う。

 日本ハムはMVPに輝いたレアードを筆頭に、バースはリリーフだけで3勝を挙げる活躍。ロングリリーフで好投したメンドーサも接戦の中で非常に貴重なはたらきを見せた。

 敗れた広島の方も同様。沢村賞投手・ジョンソンは2試合で防御率0.71とその実力をいかんなく発揮し、エルドレッドは第1戦からの3戦連発などで敢闘賞を獲得。ジャクソンも最後の第6戦での打ち込まれた印象が強くなってしまったが、それまでの5試合すべてにリリーフ登板してチームを支えていた。

 このように、リーグを制して頂上決戦で激闘を演じた両チームには、優秀な助っ人の存在があった。


“助っ人の活躍”はどれだけチームに影響する?


 やはり長打力の面で助っ人打者に頼る球団はいまだに多く、今年もパ・リーグの本塁打数上位3人は外国人が占めた。セ・リーグでも上位11人のうち、半数以上の6人は外国人打者が名を連ねている。

 また投手も助っ人のパワーに頼る部分というのが大きく、近年の阪神のように守護神は外国人頼みという球団も少なくない。サファテ(ソフトバンク)やマシソン(巨人)といった三振を奪う能力が高い投手を置くことで、ブルペンの安定を図る目論見だ。

 では、“助っ人の活躍”がどれほどチーム成績、ひいてはペナント争いに影響を及ぼしているのだろうか。ここでは今季の広島とDeNAの外国人投手を例にとって見てみたい。

 今シーズン、両チームの主な外国人投手の成績は以下の通りだった(今季一軍登板があった選手のみ)。

【広島】
ジョンソン 26試合 15勝7敗 防御率2.15
ジャクソン 67試合 5勝4敗 防御率1.71 37ホールド
へーゲンズ 50試合 7勝5敗 防御率2.92 19ホールド
デラバー 2試合 0勝0敗 防御率0.00

【DeNA】
モスコーソ 13試合 5勝7敗 防御率5.18
ぺトリック 15試合 3勝2敗 防御率5.51
ザガースキー 32試合 3勝1敗 防御率4.96 3ホールド
ブロードウェイ 5試合 0勝0敗 防御率4.50

 こうして見ると、広島の27勝に対してDeNAは11勝。勝利数だけでも「16」もの差がある。

 また、広島の4人は合わせて334イニングを投げた一方、DeNAの4人は合わせて166イニングと、広島の約半分だった。しかも防御率はそろって4点台後半から5点台。両チームの助っ人投手陣には大きな差があったと言わざるを得ない。


“当たり”の価値


 次に、彼らの活躍がどれだけチームに影響していたのか測るために、8人の防御率(投球回数と自責点)を丸ごと入れ替えてみた。

 すると、広島とDeNAの2016年チーム防御率は次のようになる。


・広島 3.20(リーグ1位) → 3.79(リーグ5位)
・DeNA 3.76(リーグ5位) → 3.24(リーグ1位)
※左は2016年の実際の防御率、右は外国人投手4人を入れ替えた場合の仮想防御率


 4人を入れ替えただけで、両チームの防御率がほぼそっくりそのままひっくり返る形になった。

 これに沿ってチームの総失点数もそのまま入れ替えてみると、広島の得失点差は「+96」、DeNAは「+75」となる。得失点差がそのまま両チームのゲーム差になるわけではないが、この差であればペナントレースが2チームによる大接戦となっていたかも...という仮説も立てられる。

 ここで取り上げた広島とDeNAの助っ人投手入れ替えはあくまでもシミュレーションだ。しかし、外国人の成績次第でペナントレースの勢力図に大きな違いが出るということは、お分かりいただけたのではないか。

 入れ替わりも激しく、当たりハズレの差も大きい助っ人選手。それだけに“当たり”の価値は大きい。


文=八木遊(やぎ・ゆう)
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