4勝中3勝を稼いだ男
2006年以来、10年ぶり3度目の日本一に輝いた日本ハム。立役者となったのは、間違いなく背番号「52」をつけた助っ人右腕だった。
男の名はアンソニー・バース。濃いキャラの多いチームの助っ人の中ではあまり目立たない存在であったが、そんな男が日本シリーズの大舞台で最高の輝きを放った。
今シリーズは5試合に登板して3勝。防御率は0.00をマーク。さらに日本一を決めた第6戦では、勝ち越し直後のチームに更なる勢いをもたらすタイムリーヒットも放ち、後のレアードの満塁弾を呼び込んでみせるなど、大車輪の活躍を見せた。
日本シリーズで3勝を挙げた投手というと過去にもいるが、すべて中継ぎとなるとこのバースが初めてのこと。まさに歴史的な快挙となる。
<シリーズ3勝>
1950年 野村武史(毎日)
1952年 別所毅彦(巨人)
1954年 杉下 茂(中日)
1955年 別所毅彦(巨人)
1956年 稲尾和久(西鉄)
1964年 スタンカ(南海)
2016年 バース(日本ハム)
<シリーズ4勝>
1958年 稲尾和久(西鉄)
1959年 杉浦 忠(南海)
「バース」としては31年ぶりのタイムリー
さらに多くのファンを喜ばせたのが、第6戦でのタイムリーヒットだ。
Twitterでは「日本シリーズで『バース』という選手が安打を打ったのは31年ぶり」という話題でもちきり。31年前のバースといえば、もちろん猛虎打線の主軸を務めたランディ・バースのことだ。
ランディ・バース以来となる31年ぶりのMVPとはならなかったが、神がかり的な活躍で優秀選手賞をゲット。日本一の原動力となった。
【日本シリーズ・表彰選手】
<最優秀選手賞>
ブランドン・レアード(日本ハム)
<優秀選手賞>
アンソニー・バース(日本ハム)
西川遥輝(日本ハム)
中田 翔(日本ハム)
<敢闘選手賞>
ブラッド・エルドレッド(広島)