今シリーズはここまで内弁慶シリーズ
22日に開幕した広島(セ・1位)と日本ハム(パ・1位)の日本シリーズは、第5戦まで終了した。
【2016年】
広島 1 - 3 日本ハム(札幌ドーム)
広島 1 - 5 日本ハム(札幌ドーム)
今シリーズのここまでを振り返ると、広島の本拠地・マツダスタジアムで開催された第1戦と第2戦は広島が勝利し、舞台を日本ハムの本拠地・札幌ドームに移してからは、日本ハムが3連勝。5戦ともホームチームが勝利する、完全な“内弁慶シリーズ”となっている。
過去66回の日本シリーズで……
過去66回行われた日本シリーズを見ていくと、すべての試合でホームチームが勝利を収めた、完全なる“内弁慶シリーズ”は、意外にも2003年のダイエー対阪神の1例だけしかない。
【2003年】
ダイエー 5 - 4 阪神(福岡ドーム)
ダイエー 13 - 0 阪神(福岡ドーム)
ダイエー 1 - 2 阪神(甲子園)
ダイエー 5 - 6 阪神(甲子園)
ダイエー 2 - 3 阪神(甲子園)
ダイエー 5 - 1 阪神(福岡ドーム)
ダイエー 6 - 2 阪神(福岡ドーム)
03年の日本シリーズは、ダイエーのホーム・福岡ドームで行われた第1戦、第2戦はともに、ダイエーが勝利(1戦目がサヨナラ勝ち、2戦目が13-0と大勝)を収めた。
甲子園での胴上げムードも高まったが、第3戦は藤本敦士の犠飛で阪神がサヨナラ勝ち。すると第4戦も、金本知憲の本塁打で阪神が2試合連続のサヨナラ。そして第5戦は、勢いに乗る阪神が桧山の逆転打で試合をひっくり返し、18年ぶりの日本一に王手をかけた。
しかし、福岡に舞台を移した第6戦、ダイエーの杉内俊哉が7回1失点と好投し逆王手をかける。第7戦は、先発の和田が立ち上がりのピンチを凌ぐと、ダイエー打線が阪神先発のムーアを攻略し、4年ぶりの日本一に輝いた。
江夏の21球により…
ちなみに、79年の広島と近鉄の日本シリーズも第6戦までは、ホームチームが勝利を収める完全な“内弁慶シリーズ”だった。しかし、7戦目に敵地・大阪で広島が4-3で勝利したため、完全な“内弁慶シリーズ”とはならなかった。
接戦となった第7戦は、1点を追うホームの近鉄が9回裏に無死満塁のチャンスを作り、あと1本でサヨナラという場面を作り出す。
ところが、広島の守護神・江夏豊に抑え込まれて試合は終了。これが、後に“江夏の21球”として語り継がれることになる。
【1979年】
広島 2 - 5 近鉄(大阪)
広島 0 - 4 近鉄(大阪)
広島 3 - 2 近鉄(広島市民)
広島 5 - 3 近鉄(広島市民)
広島 1 - 0 近鉄(広島市民)
広島 2 - 6 近鉄(大阪)
広島 4 - 3 近鉄(大阪)
これまで5戦目まで“内弁慶シリーズ”だった日本シリーズは、79年の広島対近鉄、03年のダイエー対阪神、16年の広島対日本ハムの3例のみ。
今年のシリーズは、03年以来となる完全なる“内弁慶シリーズ”となるのか…。それとも、日本ハムが10年ぶりに日本一を達成するのか…。
日本シリーズの第6戦は、広島の本拠地・マツダスタジアムで、29日(土)の18時30分にプレイボールを迎える。