東映時代の62年には2連敗から日本一
22日に開幕した日本シリーズは、パ・リーグ王者の日本ハムが、敵地でセ・リーグ覇者の広島に連敗スタート。第1戦はエース・大谷翔平が松山竜平、エルドレッドに2本のソロを浴びるなど1-5で敗戦。第2戦は同点の6回に菊池涼介のタイムリー、エルドレッドのソロなどで4点を奪われ、1-5で敗れた。日本ハムは2連敗で、本拠地・札幌ドームに帰ることとなった。
ここでは連敗スタートとなったが日本一となったケースを見ていきたい。まずは2連敗スタートから見てみると、日本ハムは東映時代の1962年に2連敗から引き分け挟んで4連勝で日本一となった。阪神と対戦したこのシリーズは、今回のシリーズと同じように敵地・甲子園で連敗。主催試合となった3戦目に引き分けたが、神宮での第4戦、後楽園での第5戦に連勝しタイに戻す。これで勢いを取り戻した東映は、甲子園での第6戦と第7戦に連勝し球団初の日本一を達成した。
これまで2連敗スタートし日本一となったケースは、東映を含めて5度。また敵地で2連敗か日本一となったチームは62年東映と79年広島の2度となっている。
<2連敗>
1962年 東映(vs阪神)
●●△○○○○
1979年 広島(vs近鉄)
●●○○○●○
1980年 広島(vs近鉄)
●●○○●○○
2000年 巨人(vsダイエー)
●●○○○○
2011年 ソフトバンク(vs中日)
●●○○○●○
3連敗から4連勝したケースも
3連敗から4連勝で日本一となったケースもある。89年の巨人がそうだった。この年、近鉄と対戦した巨人は敵地で2連敗。本拠地・東京ドームに戻っても、近鉄先発・加藤哲郎に抑え込まれ崖っぷちの状況となった。
だが、巨人は第3戦の試合後には先発した加藤哲のヒーローインタビューでの発言に発奮し、第4戦で香田勲男が完封。第5戦には原辰徳の満塁弾、第6戦も3-1で勝利し逆王手をかける。そして第7戦、巨人は駒田徳広が近鉄の先発・加藤哲から先制ソロを放つと、これで勢いに乗った巨人は10安打8得点を挙げ勝利。8年ぶりの日本一を飾った。
<3連敗>
1958年 西鉄(vs巨人)
●●●○○○○
1986年 西武(vs広島)
△●●●○○○○
1989年 巨人(vs近鉄)
●●●○○○○
これまでに66回日本シリーズが開催されたが、これまでに連敗スタートしたチームが日本一となったのは8度しかない。過去を振り返ると日本ハムは厳しい状況にある。ただ、第3戦から5戦までは本拠地・札幌ドームの大声援を受けて戦うことができる。日本ハムは、06年以来3度目の日本一を達成することができるだろうか。