優勝チーム同士の決戦!
注目のドラフト会議も終わり、22日からはいよいよ2016年プロ野球の総決算・日本シリーズが始まる。
ともにリーグを制したチーム同士の対戦。広島と日本ハムはともに日本シリーズ7度目の出場となるが、両者がこの大舞台で対戦するのは初めて。戦力的には拮抗しているとみられるだけに、熱い戦いが予想される。
指揮官の腕の見せどころ
日本ハムの栗山英樹監督は、就任1年目の2012年にパ・リーグを制覇した。ところが、日本シリーズでは原・巨人を前にに2勝4敗で敗れた。
対する広島・緒方孝市監督は、優勝候補と目された昨年は屈辱の4位に終わるも、就任2年目の今シーズンは見事にリーグ優勝を達成。クライマックスシリーズのファイナルステージでも、初出場で勢いに乗る3位・DeNAを難なく退けた。
栗山監督は今年でいったん契約が切れるが、来シーズンの続投は既定路線と言われている。実現すれば6年目の指揮を執ることになり、これは12球団の監督の中でも最長だ。
それに次ぐのが、2013年からロッテで采配を振るう伊東勤監督。セ・リーグでは、2015年から監督を務めている緒方監督とヤクルト・真中満監督の2人が最長となる。
名将への階段を駆け上がる栗山監督
昭和期には、1946年~68年まで南海を率いた鶴岡一人や、61~74年まで巨人の指揮を執った川上哲治、63~73年の阪急監督・西本幸雄らが10年以上も同一球団で監督を務め、いずれも黄金時代を築いたということがあった。
1980年代以降で見ると、森祇晶(西武)や野村克也(ヤクルト)、長嶋茂雄(巨人)、王貞治(ダイエー、ソフトバンク)、原辰徳(巨人)といった監督たちが10年前後の長期政権を握り、日本一も経験している。いずれも名将、知将と呼ばれる面々だ。
日本シリーズは、そんな指揮官たちにとってもまさに頂上決戦。名将たちが知恵を絞り出しては、幾つもの名勝負を繰り広げた。
現在の12球団の監督の中から、名将は生まれるのだろうか。
その点、日本ハムの栗山監督は5年間で2度のリーグ優勝、4度のAクラス入りを果たしている。実績面では、名将への階段をようやく上りはじめたといったところか。
来季の契約は1年間とみられており、あくまでも1年1年が勝負となりそう。5年目の今年、初の日本一に輝き、長期政権への足掛かりを作れるか...。大きな見どころとなる。
世紀の大逆転劇を作った「栗山マジック」は、日本シリーズでも見られるのか。栗山監督の采配には要注目だ。
文=八木遊(やぎ・ゆう)