つかの間の休息
長かったシーズンも終わり、オフに突入したプロ野球界。契約更改や球団のイベント、球団の垣根を超えた自主トレーニングなど、選手たちはそれぞれの時間を過ごす。
今回はあまり表に出てこない選手たちのオフの過ごし方や、オフの楽しみについて、元プロ野球選手の増渕竜義氏に話を聞いた。
オフはあっという間
シーズンが終わるとすぐに秋季キャンプが始まりますし、年が明けたらすぐに自主トレ。キャンプに向けての準備が始まります。そして2月の頭にはキャンプイン。オープン戦がはじまると、あっという間にシーズン開幕を迎えます。
このわずかな期間、選手たちはどうやって過ごすのか。せっかくの休みですから、この休みの過ごし方は人によって様々です。しかし、そこはプロ野球選手。多くの選手はこの期間も野球の事を考えて生活していると思います。
私の場合は、シーズン中は知り合いの人にもなかなか会えないですから、このオフの間に応援してくれた中学・高校の関係者の人や、親戚に会いに行くのが毎年の楽しみでした。いろいろな人に会ってシーズンを振り返ったり、話をするのがオフの恒例となっていました。
今ではオフも“練習”?
多いのが実家や地元に帰省する選手たちです。地元の友達とゴルフを楽しんだり、食事に行くなどしていた選手は多かったですね。
特にゴルフはシーズン中には絶対にできないですから、この時期はプロ野球選手にとって待望のゴルフシーズンになります。
ただしとにかく寒いので、たまには暖かい場所でゴルフをしたいなんて声も挙がりますが、これは優勝の特権。そう、優勝すればV旅行に行けるので、ハワイなどの南国でオフのゴルフを楽しむことができるんですね。優勝を逃した選手たちには“寒いゴルフ”が待っているわけです。
ただ今は、オフも休んでいられないという選手が増えてきました。多くの選手がシーズンの悔しさをバネに、このオフの期間に向上心を持って何かしらの練習をしています。走り込む選手もいれば、ウェートトレーニングで汗を流す選手もいます。
また、このオフの期間を利用して、自主トレのために海外へ行く選手たちも多いです。違う環境で気分をリフレッシュしながら練習すること、異国での練習方法を試すなどしています。そこに海外旅行的な感覚はほとんどなく、温かい気候の中で体を動かすという目的が第一になります。
オフの期間はヒマで、遊んでいると思う人も多いかと思いますが、実は休めるのは本当にわずか。プロ野球選手のほとんどは、わずかなオフ期間も野球のために費やしているのです。