「1億円」は大台ではない...?
オフの名物・契約更改も残りわずかとなってきた年の瀬。今年特に目立っているのが、活躍した選手たちの大幅アップだ。
セ・リーグで本塁打、打点の二冠に輝いたDeNAの筒香嘉智は一気に2億円もの増額を勝ち取り、年俸は3億円に到達。ほかにも2年連続トリプルスリーのヤクルト・山田哲人が1億3000万円増の3億5000万円で球団の日本人史上最高額を叩き出し、首位打者と最高出塁率の二冠に輝いた巨人・坂本勇人も1億円増の3億5000万円でサインしている。
つい少し前までは1億円が一流プレーヤーの証であったのだが、12月27日までの時点での「1億円プレーヤー」は実に70人を数える。もはや“大台”と呼ぶほど珍しいことではなくなってきているのだ。
各球団の「最高額」は...?
ちなみに、2億円以上でも30人。3億円以上は14人...。メジャーほどではないが、日本でも年俸の高額化は着々と進んでいる。
山田がヤクルトの日本人史上最高額を更新したように、これからいろいろな球団の歴史が塗り替えられていく可能性は高い。そこで今回は、各球団の日本人歴代最高年俸を振り返ってみた。
【各球団の日本人歴代最高年俸】
▼ 日本ハム
5億円 ダルビッシュ有(2011年)
▼ ソフトバンク
5億円 城島健司(2005年)、松中信彦(2006~2009年)
▼ ロッテ
2億5000万円 小林雅英(2006~2007年)
▼ 西武
4億1000万円 中村剛也(2016年~)
▼ 楽天
4億円 田中将大(2013年)
▼ オリックス
5億3000万円 イチロー(2000年)
▼ 広島
6億円 黒田博樹(2016年)
▼ 巨人
6億1000万円 松井秀喜(2001年)
▼ DeNA
6億5000万円 佐々木主浩(2004~2005年)
▼ 阪神
5億5000万円 金本知憲(2007~2009年)
▼ ヤクルト
3億5000万円 山田哲人(2017年)
▼ 中日
4億5000万円 岩瀬仁紀(2012年)
ご覧のように、12球団中7球団(8名)は5億円超え。日本復帰後にこの金額を叩き出した佐々木と黒田に関しては若干意味合いが異なるが、ダルビッシュや城島、小林雅、田中、イチロー、松井は最高額を記録した後に渡米している。日本に残っていたら一体どんな金額になっていただろうか...。
唯一3億円を超えたことがない球団
こうして見ると、ロッテの最高「2億5000万円」というのが一際目を引く。3億円というラインを超えたことがないのは、ロッテが12球団で唯一である。
現時点でも球団の日本人トップは角中勝也で1億4100万円となっているが、チームには“最後の大物”が控えている。エース・涌井秀章だ。
移籍加入時に結んだ3年契約が今季までで終了。今季の推定年俸が2億2000万円であったため、3000万円以上の増額となれば球団の日本人として最高記録となる。
来シーズン中のFA権取得が濃厚なことから、球団側も全力で慰留に努めることは確実。複数年も視野に入れた大型契約になる見込みで、球団初の3億円プレーヤーへの期待も高い。
このオフは結婚式などもあって、契約更改は越年が決定。果たしてどのあたりで決着を迎えるのか、注目が集まる。
12月28日時点の各球団の日本人最高年俸まとめは以下の通り。
【各球団の日本人最高年俸】
※12月28日時点
▼ 日本ハム
2億8000万円 中田翔
▼ ソフトバンク
4億円 和田毅、摂津正、松田宣浩
▼ ロッテ
1億4100万円 角中勝也
▼ 西武
4億1000万円 中村剛也
▼ 楽天
2億円 則本昂大、今江年晶
▼ オリックス
5億円 金子千尋
▼ 広島
1億4500万円 菊池涼介
▼ 巨人
3億5000万円 坂本勇人
▼ DeNA
3億円 筒香嘉智
▼ 阪神
4億円 鳥谷敬
▼ ヤクルト
3億5000万円 山田哲人
▼ 中日
1億5000万円 大島洋平