コラム

またも成功を収められなかった日本人内野手…田中賢介と中島裕之を数字から紐解く

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NPB出身の日本人野手ではケガ以外の理由で始めたAAに降格となった中島裕之選手 [Getty Images]

四球を選び、三振も少ない田中賢介はまだやれるが…


 2013年、ともにアメリカへ渡った田中賢介と中島裕之。大きな期待を背に移籍したが、これまで満足のいく結果を残せていない。最近は、両選手が日本に復帰するという報道もあるが(田中は、古巣・日本ハムへの復帰が濃厚と報道がある)、アメリカでの成績はどのようなものだったのだろうか。改めて数字から紐解いてみたい。

 田中は、2013年にサンフランシスコ・ジャイアンツとマイナー契約。スプリングトレーニングに招待選手として参加したが、19試合の出場で打率.229、出塁率.275と目立った成績を残せず、AAAのフレズノで開幕を迎えた。二塁の守備で思うようなプレーができず外野へコンバートされた田中は、AAAで打率.330、出塁率.392を残し7月にメジャー昇格を果たした。しかし、15試合の出場に止まり、再びAAAに降格。シーズン後には自由契約となり、テキサス・レンジャーズとマイナー契約を結んだ。

 昨季に続き、今季も招待選手としてスプリングトレーニングに参加した田中だが、打率.185、出塁率.290、AAAラウンドロックで開幕を迎えた。62試合に出場し打率.258、出塁率.340と昨季より成績をガクンと落としている。

 昨季より成績こそ下げてはいるものの、四球を選んでいる割合は変わっていない。昨季は400打席で42四球、9.5打席に1四球。今季は245打席で27四球、9.1打席で1四球選んでいる。日本でも11.5打席に1四球と選球眼は比較的定評があったが、アメリカではその能力をより発揮しているのだ。

 三振数で見ても、田中はある程度対応していた。日本での通算では7.3打席に1三振だったが、今季245打席で28三振、8.8打席に1三振。四球を選ぶ能力やバットに当てる技術はまったく衰えていないと言っていい。年齢的にもまだまだ働けることを思えば、日本で復活する可能性は往々にしてあるかもしれない。


厳しい数字が並ぶ中島……まずはケガの完治を!


 一方、田中と比べると中島には厳しい数字が残った。オークランド・アスレチックスとの2年契約最終年だったが、昨季に続きAAAサクラメントで開幕を迎えた。12試合に出場し、打率.128と成績を残せず、4月末にはAAのミッドランドへ降格。故障明けなど調整以外の理由でAAに降格したのはNPB出身の野手では中島が初めてのこと。

 中島はAAで内野の全ポジションで起用され73試合に出場したが、9月の試合中に左手首を骨折。打率.266、6本塁打とアピールするほどの成績は残せなかった。

 中島の四球を選ぶ割合は日本で12.4打席に1四球だったのに対し、AAでは11.1打席に1四球と向上している。しかし、三振の割合が日本での5.9打席に1三振からAAでは5.1打席に1三振と下がった。68安打中、長打は14本(二塁打8、本塁打6)と長打力を発揮することもできず、全体的に苦しいシーズンだったと見ることができる。

 田中、中島両選手に共通して言えるのは守備で苦労したことだ。今季、田中は二塁で49試合に出場したが守備率は.971。中島もAAで二塁を33試合守ったが守備率は.979。ちなみに、今季MLBで二塁手として50試合以上に出場した選手の平均守備率は.985。日本人内野手が渡米する際、天然芝がほとんどのアメリカの球場にフィットするかどうかが課題と言われるが、この数字からは両選手とも対応できなかったと言わざるを得ない。守備でのリズムを作れず、バッティングにもそれが影響。それでは、メジャーの舞台で活躍することは難しい。改めて、日本人内野手の適応の難しさが出たケースと言わざるを得ないのではないか。

 日本に戻るか、アメリカに残るか……2人がどのような決断を下すかわからないが、数字を見る限り、アメリカでは来季以降も期待されるような成績を残すのは難しいように思う。

文=京都純典(みやこ・すみのり)
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