ワイルドカードから負けなしの8連勝でリーグ優勝に輝いた青木宣親所属のロイヤルズ。未だその興奮冷めない現地では、ある一枚の写真が話題を呼んでいる。

　その写真が上の一枚。何が起きているのかお分かりいただけるだろうか。これは昨日の試合の第1打席で青木がオリオールズ先発・ゴンザレスから死球を受けた瞬間の写真である。91マイル（約146キロ）の速球が膝元へ投じられ、決死のジャンプを見せるも避けきれず...というのがこの一枚。貴重な出塁ではあるが、速球をモロに食らって喜ぶ人間はなかなかいない。それは青木のこの表情からも察することができるであろう。

　投球がぶつかった瞬間、球場には青木の声が響き、少しの静寂の後に大ブーイングが起こった。心配そうに見つめられていた青木であったが、すぐに立ち上がって一塁へと歩いて行った。そしてその後、青木はこの試合の決勝点となる2点目のホームを踏む。

　現地でも青木の根性が評価され、死球の瞬間の写真とともに賞賛の声が寄せられている。『MLB.com』のベン・コスマン記者は「アオキの死球がロイヤルズに29年ぶりのワールドシリーズをもたらしたと言っても過言ではないだろう」と述べ、現地メディア『SB NATION』では死球の動画と、この試合とは関係のないシーズン中に青木が苦しい表情を見せている写真を4枚掲載し、「シーズン中、痛みに苦い顔をする青木の顔特集をご覧下さい」という謎の特集を組んで青木の奮闘を紹介している。

　リーグ優勝決定シリーズでは4試合全試合で出塁し、3度のホームを踏んだ青木。ポストシーズン通算で見ても8試合で出塁率.344、6得点で貴重な役割を果たしている。ワールドシリーズでもチームの為に奮闘する男の“苦い顔”が見られるか。