コラム 2015.01.02. 21:40

新生オリックスの2015年オーダー予想!大型補強で走って返せる超強力打線に

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オリックス森脇監督も15年新オーダーとして1番糸井の可能性を示唆している [Getty Images]

金子残留で来季オリックスの戦力がほぼ確定


 黒田博樹の広島復帰が球界を賑わしたが、パ・リーグでは金子千尋の残留もまたビッグニュースであった。国内FA宣言し注目されていた金子の去就は、4年総額20億円プラス出来高(推定)という大型契約でのオリックス残留という形で決着した。

 今オフのオリックスは、金子だけでなく平野佳寿の引き留めにも成功。FAの目玉とされていた2選手の慰留を決めたばかりか、トニ・ブランコ(元DeNA)、ブライアン・バリントン(元広島)の両外国人、さらには小谷野栄一(元日本ハム)、中島裕之(元米大リーグ・アスレチックス)の獲得に成功。かつて“ケチックス”と揶揄されたチームとは思えない積極的な補強劇を披露した。

 これには、一昨年創立50週年を迎えた本社から優勝指令が出ていたとの話も少なからず影響している。オリックスの優勝は1996年にまでさかのぼり、順位の入れ替わりが激しい“混パ”にあって、21世紀に優勝のない唯一の球団だ。2014年はゲーム差なしでソフトバンクに優勝をさらわれたこともあり、今季にかける意気込みが伺える。

 さて、これだけの大補強を成し遂げたことで、気になるのが2015年シーズンのスタメンである。少々気が早いが、勝手ながら新生オリックスのスタメンを予想してみたい。ちなみに、2014年開幕戦と、最終戦となったCSファーストステージ第3戦のスタメンは以下の通り。

【2014年開幕戦】
1(三)エステバン・ヘルマン
2(右)平野恵一
3(中)糸井嘉男
4(二)ユニエスキー・ベタンコート
5(左)谷佳知
6(指)ウィリー・モー・ペーニャ
7(一)高橋信二
8(遊)安達了一
9(捕)伊藤光

【CSファーストステージ第3戦】
1(中)駿太
2(遊)安達了一
3(指)糸井嘉男
4(一)T-岡田
5(左)坂口智隆
6(右)川端崇義
7(三)エステバン・ヘルマン
8(二)原拓也
9(捕)伊藤光


先頭糸井で始まる屈指の強力打線が完成


 そして、独断の来季スタメンが以下となる。

【2015年予想オーダー】
1(右)糸井嘉男
2(遊)安達了一
3(三)中島裕之
4(指)トニ・ブランコ
5(左)T-岡田
6(一)小谷野栄一
7(二)エステバン・ヘルマン
8(中)駿太
9(捕)伊藤光

 14年シーズンは12球団唯一のチーム防御率2点台をたたき出し、2位ソフトバンクの3.25を大きく引き離す2.89を記録。にもかかわらず、ソフトバンクの重量打線の前に屈した。そこで、補強戦力をベースにあくまでも強力打線を作り上げるという視点でオーダーを組んでみた。

 昨年は出場全試合がクリーンアップだった糸井だが、後ろは補強戦力に任せて先頭打者に。リーグトップの出塁率に、3位の31盗塁、さらに19本塁打と長打力も兼ね備えた万能ヒッターを1番に据える。今季は主将ということもあり、名実ともにチームを引っ張ってくれるはずだ。

 昨季6月以降に2番に定着した安達はそのまま2番。2年連続パ・リーグ犠打記録を達成した今宮健太(ソフトバンク)に次ぐ45犠打を記録するなど小技も使え、出塁率は糸井に次ぐチーム2位。また、リーグ5位の29盗塁という足もあり、まさに理想的かつ、相手バッテリーにとってはやっかいな1、2番コンビとなる。

 ただ、大型補強により悩みを増すのがレギュラーポジション。中島は本来遊撃手だが、もともと失策が多い選手。守備力の面から、また、より打撃に専念させるためにも遊撃は安達に任せ、中島は守備負担の少ない三塁を守るだろう。

 また、近年は一塁手としての出場がほとんどのT-岡田だが、一塁では守備の粗さが目立つものの、左翼では意外なほど堅実だ。事実、2010年には守備イニング500以上の左翼手でトップのレンジファクターを記録している。そこで、小谷野を一塁に据え、T-岡田を左翼に。

 打線の中軸は、足は速いとはいえないが走塁のうまい中島を3番に、4番は指名打者でブランコ、5番にT-岡田。期待通りに機能すれば、12球団でも屈指のクリーンアップとなること間違いなし。中軸が残した走者を勝負強い小谷野に返してもらい、7番は二塁ヘルマン。

 西武時代も含めここ2年は三塁手で出場しているヘルマンだが、もともと内外野をこなせるユーティリティー・プレーヤー。守備力では平野恵に劣るとしても、「強力打線を作り上げる」という目的においては、3年連続30盗塁の足は捨て難い。

 8番駿太ももともと身体能力の高さには定評があり、今季は15盗塁を目標に掲げている。ヘルマン、駿太がうまく出塁しつなげることができれば、満塁時打率5割超と意外性のある9番伊藤から、先頭の糸井が今度はクリーンアップとして働くという、まさに野球ゲームのような打線となる——というのは期待し過ぎだろうか。

 とにもかくにも、毎年のように優勝候補に挙げられながら、ファンの期待を裏切ってきたオリックスだが、15年シーズンこそ、大本命に相応しい戦いをすることだけは間違いないだろう。

文=清家茂樹(せいけ・しげき)

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