コラム 2015.01.03. 21:12

8年ぶりに日本球界へ復帰!黒田博樹のMLBでの成績を総括する

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トップメジャーの投手として広島に復帰する黒田博樹投手 [Getty Images]

5年連続2ケタ勝利は日本人初! バリバリのメジャーリーガーとして復帰


 「カープに帰ります」

 このひと言に、広島ファンだけではなく、日本の野球ファンが大いに沸いた。

 昨季、ニューヨーク・ヤンキースに所属し、シーズン終了後FAとなっていた黒田博樹が来季、8年ぶりに広島に復帰することになったのだ。

 改めて、黒田のMLBでの成績を振り返ってみよう。

 2007年のシーズンオフにFAでMLBロサンゼルス・ドジャースに入団した黒田は、08年に2完封を含む9勝を挙げた。同年7月のアトランタ・ブレーブス戦では、8回途中までパーフェクトピッチングを見せるなど、まさに期待通りの投球を見せることになる。

 09年は、野茂英雄、松坂大輔に次いで日本人史上3人目となる開幕投手を務めたが、シーズン途中にケガで離脱したこともあり、規定投球回に達することはできなかった。
このまま下降線をたどるのかと心配する声もあったが、翌10年から昨季まで毎シーズン200イニング前後を投げ、5年連続で2ケタ勝利を記録。日本人選手で5年連続規定投球回到達は野茂英雄以来、5年連続2ケタ勝利はMLBで投げた日本人選手の中で黒田しか記録していない快挙である。

 MLBへ活躍の場を移した後も、「体が衰えてからではなく、元気なうちに戻って広島に恩返しをしたい」と黒田は言っていたようだが、まさにその通りで5年連続2ケタ勝利を記録しているバリバリのメジャーリーガーが、今季の広島に加入するのである。


MLBで変えたピッチングスタイル ゴロを打たせるピッチングに磨きがかかった


 以前、広島にいたころの黒田はフォーシームの速球を主体としたピッチングだったが、MLBではシンカーのように鋭く変化するツーシームとスライダーを内外角に投げ分け、打たせて取るピッチングにモデルチェンジした。

 ゴロアウトとフライアウトの割合(※GO/AO)を見ても、MLB7年通算で1.35。最近2年は1.19とフライアウトが増えているが、それでもまだゴロを打たせるピッチングができている。広島の内野陣は、二塁の菊池涼介を中心に12球団でもトップクラスの固さだ。黒田のピッチングを生かす布陣は整っていると言えるだろう。
 
 近年はツーシームとスライダーを中心にピッチングを組み立てていた黒田だが、今季はちょっとした変化が見られた。MLB全球団の本拠地に設置されている、球速や投球軌道を測定するシステム「PITCHf/X」によれば、昨季は17.7%だったスプリットの割合が今季は27.4%まで増えているのである。

 スプリットの割合が10%も増えたのは黒田自身の考えもあるだろうが、チームメートだった田中将大も24.1%とスプリットを多投していた。そういった側面から見ると、昨季からヤンキースに加入した正捕手ブライアン・マッキャンの意向もあったのかもしれない。それぞれ完成度が高い、ツーシーム、スライダー、スプリットを日本ではどのように投げ分けるかという配球面もまた、黒田の活躍を占う大きな要素となるだろう。

 日本人初のMLB全30球団勝利まで、残すはデトロイト・タイガースだけだった黒田。MLB全体でも過去に13人しかいない大記録よりも、広島を24年ぶりの優勝に導くことを選んだ。黒田自身も、プロ生活18年で日本シリーズ、ワールドシリーズといった最高峰の戦いをまだ経験していない。悲願に向けて黒田がどのようなピッチングを見せるか、今から本当に楽しみである。


(※)ゴロアウト/フライアウト比率(GO/AO )
セイバーメトリクスの指標のひとつで、ゴロアウト(GO)の総数をフライアウト(AO)の総数で割り、ゴロアウトとフライアウトの比率を調べる指標。同じ 数の場合は1となり、これより数値が大きくなるほどゴロアウトの割合が高く、数値が小さくなって0に近付くほどフライアウトの割合が高い投手となる。今季 のセ・リーグ平均は1.16。パリーグ平均は1.11。

文=京都純典(みやこ・すみのり)

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