活躍している数が多い東北出身者 以前は、もっと少なかったような……
大谷翔平(日本ハム)、石川雅規、畠山和洋(ヤクルト)、菊池雄星(西武)、橋本到(巨人)……。今年プロ野球で活躍している選手には東北出身の選手が実に多い。野球留学? いやいや。今、名前を挙げた選手たちは、生粋の東北生まれである。確かに、ダルビッシュ有(レンジャーズ)や雄平(ヤクルト)のように、地方から東北の高校へ進学する選手が増えたことで、地元出身選手のレベルが底上げされた事情というのは確かにある。実際、1990年代までさかのぼると、東北出身者の数はぐっと少なかったのだ。
そこで、今回は90年代の純粋な東北出身のプロ野球選手についてピックアップした。カウントダウン形式でベスト3を紹介していく。
東北出身者らしくない風貌の金村 寡黙な熱血打者・石井浩郎は政治家に転身
続いて、第2位は石井浩郎(近鉄ほか)。秋田県南秋田郡八郎潟町の出身で、秋田高から早稲田大、プリンスホテルを経て近鉄に入団。「いてまえ打線」の中核として、迫力ある強打を披露した。その後、巨人に移籍すると日本テレビのスポーツ番組の中で、「拝啓。石井浩郎です」という出だしのナレーションで石井を熱血侍キャラとして扱ったショートVTRが人気となった。朴訥なキャラクターからも芯の強い東北人という印象はにじみ出ており、ロッテ、横浜と渡り歩いて引退後、現在は政治家に転身し、衆議院議員を務めている。
締めは東北出身の代名詞「大魔神」こと佐々木 しかし、もうひとりいたことを忘れていた!?
そして、栄えある第1位は、名実ともナンバー1の称号がふさわしい佐々木主浩(横浜ほか)しかないだろう。宮城県仙台市出身で、東北高、東北福祉大と地元を経て1990年に横浜の前身である大洋に入団。「ハマの大魔神」として毎年活躍し、1998年の横浜38年ぶり日本一の原動力になった。その後、渡米を希望し、2000年にフリーエージェントでマリナーズへ入団。メジャーリーグでもクローザーとして活躍した。出身高校、大学の名に「東北」がついていて、なおかつ「佐々木」という東北に多い苗字でもあるため、東北出身者といえばすぐに思い浮かぶ存在だ。
……と、ここまで書いたところで、あ! 実はもう一人、佐々木に限りなく近い人物がいたことを思い出す。それは、斎藤隆(楽天)である。斎藤は佐々木の2年後輩で、同じく東北高、東北福祉大の出身。さらに、1993年に大洋に入団して、1990年代に先発の柱として活躍したあと、渡米してメジャーリーグで活躍したところまで、佐々木と同じである。
しかし、メジャーでの在籍年数こそ斎藤の方が長いものの、成績や一般的な知名度については佐々木のほうが上回っているし、先輩を立てたほうがいい。ましてや、斎藤はいまだ現役ということで、まだ過去の人にしてはいけない! という“言い訳”を並べて、今回は4位にギリギリ滑りこませることで、ご勘弁頂きたい。
文=キビタキビオ(きびた・きびお)