9度のプレーオフ出場でソフトバンクの日本シリーズ進出は2度のみ
10月12日、1点差で日本ハムを振り切り、ロッテがCSファイナルステージへ駒を進めた。
これでパ・リーグのCSファーストステージは6年連続でレギュラーシーズン2位のチームが敗退。ペナントレースで上位、すなわち地力に勝るチームといえども、CSを勝ち抜くことがいかに難しいかということがよく分かる。
リーグ優勝チームに1勝のアドバンテージが与えられるとはいえ、それはファイナルステージにも当てはまることだ。近年、常に優勝争いを演じ、今季は圧倒的な強さで連覇を果たしたソフトバンクは、プロ野球ファンにはよく知られているように、CSを大の苦手としている。
過去、CS(2004年から2006年までのプレーオフ、前身であるダイエー時代含む)におけるソフトバンクの戦績は17勝24敗で勝率.415。昨季までの11年間でペナントレースを5度制し、プレーオフには9度出場しながら、日本シリーズへと進出したのは、2011年と昨季のわずか2度なのだ。
ロッテのファイナルステージ進出により戦々恐々としているソフトバンクファンも少なくない。ソフトバンクがレギュラーシーズンを制しながらプレーオフで敗退したのは2004年、2005年、2010年の3度。そのうち、2005年、2010年にソフトバンクを破った相手こそロッテだからだ。2005年は4.5ゲーム差で2位、2010年には2.5ゲーム差で3位だったロッテに、シーズン首位のソフトバンクは日本シリーズ進出を阻まれてしまった。
ソフトバンク対ロッテ、3度のCSはいずれもロッテに軍配
一方、ソフトバンクとは対照的に、ロッテはCSで無類の強さを発揮する。今季も含めたCS・プレーオフの通算戦績は20勝13敗で勝率.606。5度の出場でファーストステージ敗退は一度もない。特に、ソフトバンク戦では9勝5敗、勝率は.643にまで跳ね上がり、3度の対決をいずれも制している。
もちろん、シーズンごとに首脳陣も選手も常に入れ替わっており、過去のデータは無関係とも言えるかもしれない。しかし、挑戦者のロッテ側としては縁起のいいデータとして選手の心理状態に好影響を与えるだろう。
2005年、2010年とは違って18.5ゲームの大差をつけられ、ソフトバンクとのシーズン対戦成績は10勝15敗と大きく負け越した今季のロッテ。しかし、チーム状態は明らかに上向いている。
ソフトバンクの優勝決定後、9月18日以降の戦績に限ってみれば、ロッテは13勝4敗。一方のソフトバンクは5勝11敗だ。もちろん、優勝を決め消化試合ともいえる残り試合に臨んだソフトバンクと、最後までCS進出枠を争っていたロッテとは、モチベーションもチーム状況も異なっていただろう。
しかし、猛烈な追い上げで3位に食い込み、レギュラーシーズンでの6.5ゲーム差をものともせず日本ハムを打ち破ったことは揺るがない事実。絶対的王者・ソフトバンクといえど、やはり不気味な存在には違いない。
文=清家茂樹(せいけ・しげき)