山崎康晃「2年目の進化」
昨年の新人王・DeNAの山崎康晃が進化を遂げている。
宜野湾キャンプでは、ラミレス新監督から「自分でメニューを考えての調整」という、異例の“別メニュー調整”を言い渡された2年目右腕。一見すると破天荒な指示に見えるが、裏を返せば、この指示にこそ指揮官の期待の大きさが表れている。
本人も「自分で考えながら、投手コーチと相談してしっかりとケガなく調整できました。1番の収穫はケガなくできたことです。去年のこの時期は先発のための調整をしていたので、去年とは全く違いますね」とキャンプを笑顔で振り返った。
キャンプ中のブルペン投球は約800球にとどまった。これは一軍投手陣では最少の投球数だ。しかし、笑顔が語るように調整は万全。「今の体重は85キロくらい。ベストは83キロ。これから、よりいい状態で開幕を迎えられるようにしたいと思います」と口調も軽やかだ。
技術的にも大きく進歩した。今キャンプでは「腰を使って投げれるように」という部分を重点的に意識。さらに監督から指示されたすべての場面で自分なりに考えて練習を消化したことにより、「技術的にも、感覚的にも、気持ちよく横浜に帰れます」と、かなりの手応えと自信を掴んだ。
昨年のキャンプは主に先発で、オープン戦は中継ぎとして起用された。そこで前年クローザーの役割を務めた三上朋也が故障離脱。急きょ開幕前にクローザーとして白羽の矢が立ったのが、ドラ1ルーキーの山崎だった。
その後見せた怒涛の活躍は皆さんご存知の通り。4月から5月にかけて圧巻の9試合連続セーブを記録するなど、終わってみればシーズン37セーブを挙げて新人のプロ野球記録を更新した。
今年はラミレス監督から「クローザーは山崎」とすでに指名を受けており、絶対的な地位を確立して迎える開幕となる。
キャンプ最後の実戦となった広島戦では、1回を2安打1失点と好調・広島打線につかまってしまったものの、「カープに打たれて悔しい。この悔しさを忘れずに、次(開幕戦)は見返してやりたい」と意気込んだ。
3月28日、敵地での開幕・広島戦。この試合を抑えることが、山崎の2016年のスタートとなる。