コラム 2016.06.27. 11:45

山田哲人の“超高出塁率”で昨季覇者・ヤクルトが巻き返す

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ヤクルトの山田哲人

過去10年でもトップに迫る四球数と出塁率!


 山田哲人(ヤクルト)のバットから快音がやまない。現在、打率、本塁打、打点の3部門でリーグトップを独占し、2004年の松中信彦(ダイエー)以来の三冠王誕生が現実味を帯びてきている。ただ、山田のすごさは打撃主要3部門に限ったものではない。ここまで、盗塁、得点、四球、出塁率、長打率など、その他の多くの打撃指標においても、山田は首位に君臨する。もはや、三冠王どころの話ではない。

 ただ、野球が得点を競うゲームである以上、なかでも注目したいのが得点だ。山田の得点は現在64。田中広輔、丸佳浩、菊池涼介ら打線好調の広島勢を抑えてリーグトップである。山田が昨季途中までのようにトップバッターであればそれも納得であるが、今季の山田は全試合でクリーンアップを務めている。

 にもかかわらず得点でもトップに立っている理由は、本塁打で自ら生還するケースが多いこともあるが、なによりも、高い出塁率にある。山田の出塁率は、2位・坂本勇人(巨人)の.410を大きく引き離す.450。昨季も出塁率.416を記録してリーグトップだったが、そこからさらに大きく飛躍している。ただ、ここまでの打率.332は昨季の.329と大差はない。当然、四球の数が激増しているということである。

 山田はもともと四球を選べる選手だ。昨季もリーグ3位の81四球を選んでいる。ところが、今季は75試合ですでに58四球。2位の鳥谷敬(阪神)の49に、これまた大きく差をつけている。これは、シーズン143試合に換算すると110四球。なんと、昨季より30近くも多くの四球を選ぶ計算となるのだ。

 この110四球、出塁率.450という数字がいかに優れているかは、過去の成績と比較すれば一目瞭然だ。2006年~2015年の過去10シーズン、セ・リーグの規定打席到達打者のなかでこの数字を上回ったのは、121四球を記録した2007年のウッズ(中日)、そして、出塁率.455を記録した2013年のバレンティン(ヤクルト)のみ。ちなみに、2013年は、バレンティンがプロ野球史上初の60本塁打を記録したシーズンだ。それに迫る数字を残しつつある山田の成績が、いかに図抜けたものか分かるだろう。

とにかくボール球を振らない今季の山田


 昨季、トリプルスリーを達成したことで、当然、相手投手は“くさい”ところを突いてくるが、山田はとにかくボール球に手を出さない。ボール球のスイング率は20%を切り、両リーグ規定打席到達者59人の中でもベスト3に入る。昨季の同指標では約23%だった山田が、今季はさらに選球眼に磨きをかけているということだ。ストライクを投げればあらゆる打撃指標でトップに立つバットで襲いかかる。かといって、ボールゾーンに投げればあっさりと見送られ四球を選ばれる。トリプルスリーという金字塔を打ち立てた昨季よりも、さらに打ち取りづらい打者に進化していることは間違いない。

 6月26日の中日戦でも、そんな山田の怖さが如実に表れた打席があった。二死一塁で迎えた初回、相手先発・吉見一起が際どくコーナーを突くボールを山田はことごとく見送り、一度もバットを振ることなくストレートの四球を選んだ。結果、続く雄平の先制3ランを呼び込み、ノーヒットに終わったこの日も、卓越した選球眼で勝利に貢献してみせた。

 チームはいまだ最下位に沈んでいる。広島が独走してはいるものの、2位・巨人まではわずか3ゲーム差。山田はこれからますます警戒され、敬遠されるケースも増えていくだろう。であるなら、ヤクルトの上位進出のためには、先述の雄平のように、山田の後を打つ打者が鍵となる。昨季の覇者がこのまま終わるわけにはいかない。山田の超高出塁率を生かし、ヤクルトが巻き返しに出る。

※数字は2016年6月26日終了時点

文=清家茂樹(せいけ・しげき)

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