いよいよ近づいてきたイチローの3000安打
マーリンズのイチローが、大記録へ向けていよいよ秒読み段階に入った。
日本時間16日のカージナルス戦では、代打として出場。メジャー通算2991本目の安打をセンター前に運んだ。敵地にも関わらず、「代打・イチロー」が告げられると4万を超える大観衆がスタンディング・オベーションで迎え、試合の進行が少し止まった。
普段はクールなイチローも、「ちょっと感激した」とコメントするほどの盛り上がりを見せている。
さらに18日のカージナルス戦では、「1番・中堅」でスタメン出場。3安打、1四球に1盗塁という活躍で勝利に貢献。これでメジャー通算2994安打となり、3000安打まで残り6本とした。
日米通算3000安打のときは「狙っていた」
3000安打まで、いよいよカウントダウンに入ったわけだが、これまでイチローが節目の安打をどのように記録してきたか振り返ってみよう。
【メジャー通算1000安打】
2005年6月14日・フィリーズ戦 ジョン・リーバーからライトフェンス直撃のヒットで記録。
【メジャー通算1500安打】
2007年7月29日・アスレチックス戦 レニー・ディナードからセンター前ヒットで記録。
【メジャー通算2000安打】
2009年9月6日・アスレチックス戦 ジオ・ゴンザレスからライトへ二塁打を放ち記録。
【メジャー通算2500安打】
2012年6月19日・ダイヤモンドバックス戦 ダニエル・ハドソンからセンター前ヒットを放ち記録。
メジャー通算1500安打と2000安打の間には、日米通算3000安打を2008年7月29日に達成している。普段、節目の記録を達成しても淡々と振り返ることが多いイチローだが、このときは茶目っ気たっぷりのコメントを残している。
「ホームランだったらかっこいいなと狙っていたけど、詰まってしまった。あれ?でもヒットだ……という感じ」
真意は定かではないが、節目の安打をホームランで飾ろうとしたようだ。常々イチローは、「ホームランを打つときはだいたい狙っている」と言っているが、メジャー通算3000安打はどのような安打で決めるだろうか。
4番と9番以外ではホームランを打っているイチロー
メジャー通算3000安打をホームランで決めれば、これ以上ないドラマチックなものとなるが、イチローのホームランの傾向はどのようなものだろうか……。
メジャー通算113本塁打のイチローであるが、最近では2014年と2015年に1本ずつ打ったのみ。2015年4月29日を最後に、ホームランを打っていない。
113本塁打のうち、先頭打者本塁打が37本。サヨナラ本塁打は2本。同点の場面で最多の52本塁打を打っていて、2点差以内で打ったものが88本と、僅差の場面で多くのホームランを放ち、勝負強さを見せている。
カウント別では、初球を打ったホームランが25本で最多。3球目以内に打ったものが82本で、早いカウントでホームランを打つことが多いという傾向もある。
さらに打順別では、1番打者として98本塁打。1番打者のイメージが強いが、4番と9番以外の打順ではすべてホームランを打った経験がある。
残り6本となり、23日からは本拠地での10連戦がはじまる。順調にいけば本拠地での大記録達成が濃厚だ。
その中で注目は、「何」で決めるのか――。リーチがかかった打席において、イチローがどんなバッティングをするのか注目してみよう。
文=京都純典(みやこ・すみのり)