コラム 2016.09.23. 11:30

CS進出に王手 ロッテ6年ぶり“下剋上”は可能か

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ロッテの伊東勤監督

今日の結果次第で2年連続CS出場が決定


 22日の直接対決で日本ハムがソフトバンクを下し、日本ハムについにマジック「6」が点灯。パ・リーグ優勝争いもいよいよ佳境を迎えた。その一方で、ロッテが6年ぶりの下剋上を虎視眈々と狙っている。

 22日の楽天戦が雨天中止となったが、23日の日本ハム対楽天の結果次第で、ロッテのクライマックスシリーズ(CS)進出が決まる。昨年はCSファイナルステージでソフトバンクにストレートで敗れ、いわゆる「5年周期」の下剋上はならなかったが、1年遅れでの達成はあり得るのだろうか。

 30前後の貯金を作っている“2強”に対して、ロッテは68勝64敗4分と辛うじて5割を上回っている状態だ。敵地で両雄をなぎ倒し、日本シリーズにたどり着くのは至難の業だろう。しかし、それが不可能でないことはロッテナインが一番わかっている。3位という気楽な立場で臨めることや、上位2チームが優勝を争う中でCS対策が後手に回ることも伏兵・ロッテを後押しするかもしれない。

 また涌井秀章と石川歩というダブルエースも2強には厄介な存在になるだろう。涌井は最多勝3回の実績を持つリーグ屈指の右腕。そして石川は今季、最多勝と最優秀防御率の投手2冠も視野に入れている旬の投手だ。特にCSファーストステージで対戦することになるチームにとって両投手との対戦は手ごわいものとなるだろう。


3番手・4番手の投手がカギ


 ロッテがもしファイナルステージに進んだ場合、先発3番手、4番手の出来が最大のカギとなる。3番手候補のスタンリッジは今季、7勝8敗と負け越しているものの、9月に入ってからは3試合に投げ、1勝0敗、防御率1.35と好調を保っている。ポストシーズン(日本シリーズ、CS)では、ソフトバンク時代の14年のファイナルステージ(対日本ハム)第5戦で6回無失点、昨年の日本シリーズでは優勝を決めた第5戦で6回を無失点に抑えた実績もある。

 スタンリッジに続く4番手候補には唐川侑己を挙げたい。先月下旬に左わき腹に痛みを訴え、戦線を離れたが、25日のオリックス戦で約1か月ぶりの一軍復帰を果たす見込みだ。今季の成績は5勝5敗の五分だが、6月30日から離脱するまでの6試合だけを見ると、3勝2敗、防御率1.29と安定した投球を続けていた。もし唐川が、CSでもその時に近いパフォーマンスを発揮することができれば、先発“4本柱”は相手の脅威となり得る。

 “1年遅れ”の下剋上へ、ロッテから目が離せない。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

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