ここに来て新たな離脱者が...
ロッテをまたしてもアクシデントが襲った。
主砲のデスパイネが左手首痛により9月11日に登録抹消となったばかりであるが、今度は西野離脱後の9回を任されていた益田直也が離脱。検査の結果「右肘関節炎」と診断され、抹消こそ見送られたもののかなり苦しい状況に陥っている。
ここに来て立て続けに出ている離脱者を一度整理しておこう。
【ロッテの主な故障者】
西野勇士(右肘痛)
今季成績:40試 3勝6敗21セーブ 防3.51
大谷智久(右膝内側側副靭帯損傷)
今季成績:30試 1勝3敗11ホールド 防3.68
唐川侑己(左わき腹痛)
今季成績:13試 5勝5敗 防3.04
デスパイネ(左手首痛)
今季成績:127試 率.286 本24 点91
清田育宏(左側頭部打撲と軽度脳震盪の疑い)
今季成績:96試 率.227 本6 点34
益田直也(右肘関節炎)
今季成績:59試 3勝2敗13セーブ 防1.89
故障者の現状は?
気になる故障者の現状はというと、左わき腹痛で8月24日に一軍登録抹消となった唐川侑己は、9月10日に行われた西武との二軍戦で実戦復帰を果たしている。
その試合では2回を投げて3安打、2奪三振、0四死球で1失点の内容。ポストシーズンに向けてひとつメドが立った。
守護神の西野勇士は実戦復帰こそできていないものの、ロッテ浦和球場でブルペンに入りしている。
本人は「ゲームに行った時に必要な球数を投げている。CSの頭からいくというのは絶対に無理なので、CS前にちゃんと何試合投げられるということをアピールしないといけないし、逆算したらそろそろ復帰しないといけない」と復帰へ向けて早る想いを語りつつ、「いきなりCSに行くっていうのも、今頑張っている選手に申し訳ないし、自分自身も自信を持って投げられるとは思わない。これがダメなら休むしかない」と覚悟を持ってトレーニングを積んでいる。
また、昨季チーム最多の32ホールドをマークし、今季も主に勝ち試合の7回を務めていた大谷も、ブルペンで精力的に投げ込みを行っている。
「(膝の)痛みはない」と大谷。「上で投げられないことにストレスがあるので、上でなんとか投げたい。前を向いてやっている」とこちらも復帰へ向けて強い想いを語った。
ピンチをチャンスに変えろ
思えば今シーズンのロッテは、離脱者との戦いだったと言っても過言ではない。
藤岡貴裕や内竜也、荻野貴司といったところが故障で離脱し、清田育宏や松永昂大も不振で二軍落ちを経験。全員が揃って万全な状態で戦えた時期というのは、ほとんどないと言っていいだろう。
そんなチームを救ってきたのが、ピンチをチャンスに変えた若手・中堅の選手たちだった。
今や勝ちパターンの一角として8回を任されている南昌輝は、まさにその一人と言える。
「去年上がれなかった悔しさをぶつけてやろうと思ってやった」と語る右腕は、悔しさをバネに開幕一軍の切符をゲット。春先は敗戦処理からのスタートであったが、徐々に首脳陣からの信頼を掴み、ブルペンを支える存在へと成長を遂げた。
「抑えていかないと一軍にいることができないので、競った場面ということよりも、1試合1試合しっかりやっていかないといけないなと思っていた」と南。ここまで52試合に登板し、3勝4敗14ホールド、防御率2.67と自己最高の成績を残している。
また野手では、7年目の大嶺翔太が存在感を発揮。3日の西武戦で3安打を放つと、8日の西武戦でも3安打3打点の大暴れ。9月はここまで8試合で打率.357、4打点とアピールし、ナバーロ不在をしっかりと埋めている。
こうした選手たちの奮闘があってこそ、今の3位というポジションがある。3位からの“下克上”と言えば、ロッテのお家芸。離脱者の穴を埋めた選手たちと復帰する選手たちが噛み合った時、一発大逆転への機運は高まってくることだろう。
満身創痍、傷だらけだとしても、このチームは侮れない。