実はすごい!ロッテの投打の柱
9月に入り、プロ野球も佳境。優勝争いやクライマックスシリーズ進出をかけた争いが熾烈になってきた中、最後の1カ月は個人による争いも激しさを増してくる。
パ・リーグの個人成績を見てみると、熾烈なデッドヒートを繰り広げるソフトバンクと日本ハムの選手を抑え、頂点を独占しているチームがある。それがロッテだ。まずは投打の個人成績のトップ3を紹介しよう。
【個人成績】9月8日時点
1位 2.26 石川 歩(ロッテ)
2位 2.39 千賀滉大(ソフトバンク)
3位 2.54 有原航平(日本ハム)
▼ パ・リーグ野手
1位 .348 角中勝也(ロッテ)
2位 .308 西川遥輝(日本ハム)
3位 .306 柳田悠岐(ソフトバンク)
ご覧の通り、「個人成績」はロッテの選手が独占している。パ・リーグはどうしても首位争いに注目が集まっていたが、個人で見るとロッテの2人が実は好調を維持していたのだ。
迫る“二刀流”の恐怖
投打の個人成績を独占となると、2014年のオリックス・金子千尋(防御率1.98)と糸井嘉男(打率.311)以来のこと。球団では1960年の小野正一(防御率1.98)と榎本喜八(打率.344)以来で56年ぶりの快挙となる。
石川の場合はソフトバンクの千賀に猛追を許しているほか、日本ハムの“二刀流”大谷翔平が規定投球回に達するかどうかという点も大いに関わってくる。
大谷はここまで118回を投げて防御率が2.06。規定は試合数×1.0と定められているため、あと25イニングを投げれば規定に到達する。石川はとにかく数字を良くして待つしかない。
独走に見える角中も...!?
また、打率の方では角中が抜けているように見えるが、実はここにも大谷という脅威が隠れていることを忘れてはならない。
大谷はここまで326打席に立って打率.325をマーク。規定に載っていれば、2位に相当する数字を残している。規定は試合数×3.1で443打席となるため、あと117打席に立てれば規定に到達できる。
日本ハムの残り試合は18しかないため、平均すると1試合6.5打席で到達というペース。とても現実的ではないが、多く打席をこなすことでチャンスが拡大する可能性もある。それが、首位打者における『例外規定』と呼ばれるものだ。
「例外規定」とは、「規定打席に満たなかった場合でも、不足分の打席を凡打として加算し算出された打率が規定打席到達者の打率1位の値を上回れば、規定打席未到達でも首位打者と認定される」というもの。
こうなればたとえ規定に到達できなかったとしても、諦めずに打席を増やし、打率を上げて終わることができれば、最終的にどんでん返しが起こる可能性もないとは言えない。
現在トップを走るロッテの2人は、球団56年ぶりの快挙を成し遂げることができるか。はたまた“二刀流”がまた新たな伝説を打ち立てるのか。残り僅かとなったシーズンのたのしみとなる。