コラム

本塁打不足のロッテに非常事態!求められる大砲の補強

デスパイネ退団で緊急事態!


 オフに入り、各球団が来季の布陣を整えるべく補強を進めるなか、厳しい状況に立たされているチームがある。パ・リーグ3位のロッテだ。

 球団史上最大級の3年総額12億円ともいわれる条件を提示して引き留めを図っていた主砲・デスパイネの退団が決定。本人も残留希望だったものの、交渉役となるキューバ政府と折り合うことができず、痛過ぎる結果となってしまった。

 デスパイネが抜けることで大きな痛手を被るのは、当然ながら打線だ。近年のロッテ打線といえば、極端に本塁打が少ないことが大きなウィークポイントのひとつ。チーム本塁打は統一球導入前の2010年に記録した126本を最後に3ケタに届くことがなく、これは阪神と並んで12球団最長のブランクである。

 今季のチーム本塁打も80本。リーグ最下位だったオリックスの84本をも下回り、12球団最低の数字だ。加えて、まずいのがその内訳。チーム内の本塁打ランキングは24本のデスパイネが断トツの1位。さらに10本で2位だったナバーロもすでに退団が決定しているのだ。

 チーム本塁打の4割強を放った助っ人ふたりがチームを去る...。このふたりに続くのは、8本の角中勝也。そして清田育宏、鈴木大地、中村奨吾が6本と、なんとも迫力不足だ。

 すでに新外国人・ダフィーの獲得が決まっているほか、阪神からの退団が決まったゴメスや、マリナーズからの日本球界復帰がうわさされる李大浩の獲得に動いているとの情報もあり、まだなんらかの補強をするはずだが、先行きは明るいとは言いがたい。

 もちろん、本塁打だけが強いチームを作る要素ではない。ただ、過去の優勝チームと比較すると、大きなハンデを背負っていると言わざるを得ない。


キーワードは「134.2本塁打」


 過去20年をさかのぼり、パ・リーグのレギュラーシーズン1位チームの打撃成績を振り返ってみると、チーム本塁打の平均は「134.2本」になった。今季のロッテとは、実に50本以上の開きがある。

 最多は211本をマークした2001年の近鉄だ。この年の近鉄は、ローズと中村紀洋のふたりだけで101本塁打を放つなど、“いてまえ打線”が大爆発。チーム防御率は4.98とリーグ最低の数字だったにもかかわらず、強力打線によってペナントをものにしている。

 統一球導入後はさすがにチーム本塁打数も減る傾向にあったが、それでも90本は割っていない。20年間で唯一の例外は、2007年の日本ハムが記録した73本だ。この年の日本ハムは森本稀哲、稲葉篤紀、金子誠、田中賢介らによる堅い守備をバックに、先発ではダルビッシュ有(現レンジャーズ)、武田勝、中継ぎでは武田久、MICHEALを中心にした守り勝つ野球で本当に“うまく勝った”チームであった。

 しかし、これはあくまでも例外。優勝を狙うには、やはり一定水準以上の長打力が必要と言える。ロッテの場合、抜きん出た守備力や投手力、機動力があるわけでもない。長打を期待できる選手の獲得は必須といえるだろう。

 各チームの補強も落ち着きつつあるが、ロッテにとってはこれからが本番。シーズンを制するための大砲を手に入れられるだろうか。


文=清家茂樹(せいけ・しげき)
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