ロッテが交渉断念
FAも一段落した日本のストーブリーグに、新たな燃料が投下された。
ロッテは19日、アルフレド・デスパイネの残留交渉打ち切りを発表。林信平球団本部長は「我々が考える数字よりも高かった」と説明し、条件面でキューバ政府と折り合うことができなかったことを明かしている。
キューバの至宝として知られる右の大砲・デスパイネ。日本では2014年の途中からロッテでプレーし、通算282試合で54本の本塁打を放った。
本人は残留を希望するコメントも残しており、球団としても全力で慰留に努めるスタンスを貫いていたが、キューバ人選手との交渉はすべてキューバ政府が相手となる。どのチームと契約を結ぶかは球団と政府の交渉次第なのだ。
これでロッテの契約保留者名簿からデスパイネの名前がなくなると、その時点で他チームのアタックが開始できることになる。国内ではソフトバンクが強い関心を抱いており、それだけのお金も持っている。そのため、すでにソフトバンクで決定的という報道も出ているほどだが、この獲得レースに関して“ソフトバンクの一強”と決めつけてしまっていいものなのだろうか...。
きになるオリックスの動き
ここで動向が気になるのが、ソフトバンクと同じパ・リーグのオリックスだ。
今オフは大黒柱・糸井嘉男がFAで阪神へ移籍。代わりに陽岱鋼の獲得に乗り出すも、早々に“お断り”を受けてしまった。ここまで目立った動きもないだけに、ここで転がってきた大物獲得のチャンスで一発逆転を狙う可能性というのは十分に考えられる。
今季のチーム本塁打84は12球団中11位。迫力不足は否めず、一発が魅力のデスパイネはターゲットとして申し分ない。それも今から2年前、2014年のオフには獲得調査に乗り出していたこともあっただけに、今回のロッテ退団は願ってもないチャンスになる。
また、イメージとしても、オリックスと言えば日本で名を残したスラッガーたちがやってくるチームという印象が強い。
たとえば2008年にはグレッグ・ラロッカ、タフィ・ローズ、アレックス・カブレラという超重量級クリーンアップが実現しており、その翌年にはそこにホセ・フェルナンデスまで加入。ローズが日本人扱いであったことから、この4人がスタメン揃い踏みという日もあった。
近年を振り返ってみてもトニ・ブランコやエステバン・ヘルマン、ウィリー・モー・ペーニャ、アーロム・バルディリス、フェルナンド・セギノールなどなど、日本でお馴染みの名前がズラリ。もはや伝統のようにもなりつつある。
ソフトバンク一強ムードに待ったをかける…?オリックスの動向に注目だ。