ア・リーグ 地区シリーズ 第3戦
タイガース － オリオールズ ☆☆
＜現地時間10月5日 コメリカ・パーク＞

　ア・リーグ中地区で4連覇を達成したタイガースの元気がない。計算が立つ実績十分の豪華先発陣はもとより、その後の救援陣が踏ん張れないのが目立っている。救援防御率がメジャーで下から4番目の4.29というデータ通りの脆さで、初戦から不安要素に完全につけ込まれてしまった格好だ。

　しかし、自慢の打線は好調。3番カブレラは.574(7-4)で1本塁打、4番V.マルティネスが.375(8-3)で1本塁打3打点、5番のJD.マルティネスは.250(8-2)も2安打がいずれも本塁打で4打点と中軸が当たっているのは光明。中軸の前になんとかランナーを溜めて大量点に結び付けたいところだ。

　負けられない3戦目のマウンドに上がるのは今シーズン途中加入の左腕・プライス。2チームにまたがり15勝12敗、271奪三振はリーグトップの数字である。さらにオリオールズ戦は通算7勝3敗で防御率2.82と良い数字を残している。三振を多く奪いながらも平均7イニング以上を投げるスタミナも持ち合わせており、後ろに不安のある投手陣としては心強い。プライスがどこまで自分の投球を続けられるかがポイントとなるだろう。

　対するオリオールズも初戦は相手エースを終盤の猛攻で撃破し、2戦目は勝ち頭のチェンがKOされるも、その後見事な逆転勝利。諦めなかった粘り勝ちという印象。こちらもタイガース同様打線好調で、4番のクルーズが.500(8-4)、1本塁打3打点、マーカーキスとデアザの1、2番コンビがともに.375(8-3)の高打率を残している。

　王手をかけたオリオールズは3戦目にノリスを持ってきた。ゴンザレスが予想されていたところをショーウォルター監督が急遽の変更。この決断が吉と出るか、凶と出るか。ノリスは15勝8敗というのが今シーズンの成績であるが、ナイトゲームでは12勝4敗で防御率2.99のところがデイゲームだと3勝4敗で防御率は5.57。昼と夜とでは別人のような数字の開きが現れる。明日は現地時間午後3時30分からの試合となるが、果たして。

　4連覇で4年連続のプレーオフとなったタイガースだが、過去3年間で地区シリーズ敗退に終わったシーズンはない。王者が意地を見せるか、オリオールズが勢いのまま勝ちぬけるか。試合は現地時間10月5日午後3時30分（日本時間10月6日午前4時45分）、プレイボール。