ナ・リーグ 地区シリーズ 第3戦
☆☆ ジャイアンツ － ナショナルズ
＜現地時間10月6日 AT&Tパーク＞

　リーグ最高の勝率.593をマークしたナショナルズが、ワイルドカードのチームに追い詰められている。本拠地で屈辱の2連敗を喫し、ついに後がなくなった。

　打線に元気なく、ここまで2試合で3得点。ジャイアンツの経験豊富なベテランの術中にハマり、救援陣も攻略することができなかった。唯一当たりを見せるのが2年目のレンドン。ここまで2試合で11打数5安打と、苦しむチームの中でひとり気を吐いている。2番打者ながら21本塁打を放った長打力も魅力であり、眠れる打線を目覚めさせるような一発にも期待したい。

　後がないナショナルズの3戦目の先発はフィスター。今シーズン16勝6敗で防御率は2.41。25試合に先発して与えた四球は試合数を下回る24個という制球力が武器に、安定感抜群の投球を披露した。相手のバムガーナーはワイルドカードゲームで完封勝利を収めているが、フィスターも最後の登板となった現地時間9月26日のマーリンズ戦で3安打完封で飾り、プレーオフを迎えている。エース級の働きを見せた右腕に全てを託す。

　連勝で優位に立つジャイアンツは、過去4年で2度の世界一に輝いた短期決戦巧者ぶりを発揮。さすがの強さを見せつけている。延長18回の激闘となった2戦目では、1点ビハインドの9回二死から相手の四球をキッカケに同点とし、実質もう1試合分戦った末にベルトの一発で勝利を収め、優勝候補本命であったナショナルズを体力的にも精神的にも追い詰めた。

　打線では伏兵の活躍が目立っていた中で、プレーオフ男のサンドバルに1本が出た。ワイルドカードゲームで2安打を放つもそこから苦しんだが、9回二死から値千金の同点適時打を放ってみせ、勝負強さを発揮した。さらに、対戦するナショナルズのフィスターからは今シーズン5打数4安打と相性バツグン。お得意様を飲み込み、リーグ優勝決定戦へと突き進む。

　その風貌から「カンフーパンダ」と呼ばれる28歳は、前回2012年のプレーオフで打率.364、6本塁打で13打点をマークし、ワールドシリーズMVPにも輝いた。3度目のプレーオフとなる今回で”新ミスターオクトーバー”襲名を狙う男のバットに注目だ。試合は現地時間10月6日午後5時（日本時間10月7日午前6時7分）、プレイボール。