ナ・リーグ 地区シリーズ 第3戦
● ジャイアンツ 1 － 4 ナショナルズ ○
＜現地時間10月6日 AT＆Tパーク＞

　本拠地での連敗で崖っぷちに立たされたナショナルズ。この日も相手エース・バムガーナーを前にスコアボードに「0」を並べ、気づけば第2戦の4回からの連続無得点を21イニングまで伸ばしていた。しかし、貧打にあえぐチームに目を覚ます得点をもたらしたのは、そのバムガーナーだった。

　0－0で迎えた7回、バムガーナーは先頭の5番デスモンドに安打を許すと、続くハーパーには制球を乱し、かんたんに歩かせてしまう。無死一二塁で、7番のラモスに出たサインは送りバント。ラモスは追い込まれながらも4球目を投手前に転がすと、バムガーナーはダッシュをかけるでもなく、悠々と打球を処理。誰もが一塁に送球すると確信していたが、ここでバムガーナーは三塁へ送球する。ストライク送球でもセーフであろうタイミングで送球した挙句、送球はレフト寄りに逸れ、カバーが遅れる間に一塁走者まで生還。一気に2点を献上し、さらに続くチャンスで8番カブレラにも適時打を浴び、苦しむ相手に3点をプレゼントしてしまった。

　対するナショナルズは先発のフィスターが見事な投球を披露。負けたら終わりの状況の中、7回を4安打無失点に抑え、しっかりと役目を果たした。

　9回にもナショナルズのハーパーにこのシリーズ2本目の一発が飛び出し、貴重な追加点。ジャイアンツはその裏に反撃を見せるも、犠飛で1点を返すのがやっと。4－1でナショナルズがこのシリーズ初勝利を挙げ、なんとか崖っぷちで踏みとどまった。ジャイアンツは連勝で追い込みながらも、エースでまさかの自滅。相手のスキにつけこみ、勝ちあがってきた短期決戦巧者が、らしくないミスによって痛い星を落とした。